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内面も美しかったミポリン 一気にトップアイドルになっても裏表なく常に自然体

[ 2024年12月7日 04:00 ]

90年、JR京葉線「越中島駅」開業記念イベントで、少年野球チームの選手たちと中山美穂さん
Photo By スポニチ

【悼む】初めて実物の「ミポリン」にお目にかかったのは1986年2月27日。昨年亡くなった芸能プロダクション宣伝部長Kさんの結婚披露宴でのことだった。赤坂プリンスホテルの別館宴会場で行われた披露宴。新婦のドレスの裾を持って登場してきた美少女が、2日後に16歳の誕生日を迎える中山美穂さんだった。前年に放送されたTBSの人気ドラマ「毎度おさわがせします」でツッパリ少女・のどか役を演じて一気に人気アイドルとなっていた。結婚式の主役の系列事務所に所属していた中山さん。年齢よりもずっと大人の色気を感じさせる、毅然(きぜん)とした立ち居振る舞いが、「あの子がドラマで人気の子か」と出席者たちの注目を集めていたことを覚えている。

その4年後の90年3月。スポニチ本社がある東京都江東区越中島に、JR京葉線の越中島駅が開業した。スポニチも移転してきたばかりとあり、地域とともに同駅の開業イベントを盛大に行うことになった。そのイベントにゲスト出演してくれたのがミポリンだった。越中島小学校のグラウンドで野球少年たちに囲まれて記念撮影に応じたり、華やかな笑顔を振りまいて、駅の開業PRに一役買ってくれた。その際、ファンが集まり過ぎて、彼女が乗ってきた高級車に何かがぶつかった跡が残っていた。イベントに出てもらったせいで新車を傷つけてしまい、平謝りしたことも鮮明に覚えている。

コンサート取材などで、その後、何度かインタビューしたはずだが、ほとんどあの笑顔でかわされた印象が強い。大きな瞳でじっと質問者を見つめながら問いを聞き、極めて短い言葉で答えを返してくることが多かった。まさに「目でモノを言う」タイプだった。音楽スタッフも「本当に無駄口を利かない人だった」と言うほど、決して器用に立ち回れるような人ではなかった。

一気にトップアイドルになり、周りのスタッフも大切に彼女を扱っていたのは間違いない。環境や立場が急変すると勘違いしてしまうタレントもたまにいるが、裏表なく、常に自然体でいられる、まっとうな感覚の持ち主が彼女だった。トップアイドルから結婚、出産、離婚を経験し、長い年月を経ても、芸能界の内外で根強いミポリンファンが多いことで有名だった。それこそ、彼女の内面も含めた美しさの証左だと思う。(編集主幹・元尾 哲也)

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