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緒形直人 寛一郎を絶賛「持っている華がある」 映画「シサム」公開初日舞台あいさつで

[ 2024年9月14日 07:45 ]

舞台あいさつに登場した出演者たち(左から)サヘル・ローズ、平野貴大、和田正人、寛一郎、緒形直人、中尾浩之監督
Photo By スポニチ

俳優の寛一郎(28)が13日、主演を務める映画「シサム」(監督中尾浩之)の都内で行われた公開初日舞台あいさつに出席した。

アイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマ。「蝦夷地」と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易を行っていた史実をもとにした作品だ。

寛一郎は満員御礼の客席を前に「ちょうど1年前の夏に北海道白糠町でまるまる1カ月撮影をしました。撮影以外にも今日まで凄くたくさんの方々が携わり、協力をしていただき、初日を迎えることが出来ました。本当に嬉しく思います」と感慨無量の表情であいさつ。共演の緒形直人は寛一郎について「彼は芝居に真摯に向き合っていて、目線は良いし、持っている華がある。特別なものを持っていると感じる」と絶賛した。

和田正人は役柄上、片方の目に眼帯をして撮影。「片方の目がふさがっている状態で山の中のロケ地の道なき道をかきわけての撮影で、遠近感も取れないし、皆さんが移動するスピードにもついていけない。精神的にも肉体的にも追い込まれた状態。過酷な大自然でのロケはハードでした」と振り返った。しかもヒグマ出没の危険性もあったそうで「ここで出てきたら真っ先にやられるのは僕。ヒグマってウサイン・ボルトくらいの速さがあるそうなので」と大自然の中のロケならではのエピソードを明かした。

アイヌの村のリーダーを演じた平野貴大は「白糠町のアイヌ協会の方々にもご協力をいただき、アイヌ伝統の療法や所作を教わったり、お酒を一緒に飲んだり、凄く仲良くさせていただきました」と現地の協力に感謝した。

また、サヘル・ローズは本作が公開される意義について「ここで描かれるアイヌと和人の物語は、歴史上の物語ではなく、世界で今起きている出来事と重なる。これは壮大な歴史の物語ではなく現在進行形の意味深い作品。今の時代だからこそ見るべき、問われるべき作品です。それが日本映画として生まれたことを誇り
に思います」と語った。

中尾監督は「この映画を作る上で大切にしたのは謙虚さ。観客に答えを提示するのではなく、見終わった皆さんに感じていただき、自分なりの答えを見つけてもらえたらうれしい。映画館でエモーショナルな映画体験を感じてほしいです」とアピールした。

ロケ地の北海道・白糠町の棚野孝夫町長も来場。寛一郎に花束を贈呈し「我々にとって待ちに待った今日の良き日。お祝いを申し上げたい」と念願の全国公開を祝福した。花束を受け取った寛一郎は「白糠町の皆さんの協力なくして、この映画は完成できなかった。アイヌの物語ではありますが、これは過去の問題を描いているのではなく、今に通ずる物語を描いていると思います。その問題を僕らは考え、模索し、未来に提示する義務があると思います。この映画が今日からたくさんの方々に見てもらえるよう、広がって行けば嬉しいです」と大ヒットを願った。

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