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8・7はバナナの日 お天気キャスター森田さん「島バナナ」応援呼びかける

[ 2023年8月7日 04:00 ]

沖縄の島バナナの農家と交流する森田正光さん(左)
Photo By 提供写真

日本最年長のお天気キャスター森田正光さん(73)が沖縄で栽培される「島バナナ」の普及・応援活動に乗り出している。折しも8月7日はバ(8)ナナ(7)の語呂合わせから2001年に日本バナナ輸入協会が制定し、一般社団法人日本記念日協会にも認定された「バナナの日」。その記念日に合わせ、森田さんに島バナナの価値や魅力などについて聞いた。

バナナは言わずと知れた日本国内で食される最もポピュラーな果物の一つ。年間の輸入量は果物全体の約57%を占める断然の1位で、2位パイナップルの約8・4%を大きくリードしているが、国産のバナナは国内で流通するバナナのわずか1%にも満たない。

一般にスーパーなどで流通しているバナナはほとんどが輸入品で1本50円程度。それが沖縄で栽培される国産となると1本300円に跳ね上がる。沖縄産には「三尺」、「銀」、「アップル」、「アイスクリーム」など多くの種類があるが、森田さんが特に力を入れているのは東南アジアから米ハワイ、小笠原、奄美などを経由して沖縄に伝わった「小笠原種」。50年ほど前、日本気象協会の仲間と沖縄・石垣島を旅した際に食べたこの小笠原種の味が忘れられないという。

「普段食べているバナナとは別物。香りが良くリンゴやキウイのような酸味があって食感はもっちり。沖縄に行くたびに買うようになりました」。初体験から40年以上、個人的にその味を楽しんできたが、バナナ嫌いの後輩が「これ、ホントにバナナですか」と驚きの表情で島バナナをほお張るのを見て一念発起。2019年に農家を支援する団体「島バナナ協会」を数人の仲間と立ち上げた。

沖縄県立農業大学校の高橋健助教授のアドバイスの下「島バナナ栽培技術確立プロジェクト」を立ち上げ、千葉大学の小谷真吾教授には小笠原種の遺伝子分析を依頼。この秋には科学的根拠に基づいて島バナナ協会が認定する小笠原種ブランド「島バナナ」が誕生する見込み。ポッドキャストで島バナナの広報番組「森田さんのバナナ予報」の制作、公開も続けている。

島バナナの大敵は台風、害虫、高価な商品故の盗難。島バナナだけの収入は年20万円という農家も決して少なくなく品質がそろったおいしい島バナナを安定供給するのは現状困難。そうした状況を打破するのが森田さんの最終目標だ。

島バナナをおいしく食べるための追熟にはその日の気温も大きく関係する。台風の予測同様、気象予報士としての知識が少なからず役立つ分野でもある。「気象もバナナ栽培もおよそ自然というのは理不尽なもの。その理不尽を楽しむことが大事」。森田さんは輸入品同様、スーパーに島バナナが大量に並ぶ日を夢見ている。

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