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藤井聡太2冠 順位戦での連勝が22でストップ 通称「鬼の住処」で試練 勝った稲葉は5年前に名人挑戦

[ 2021年6月4日 05:30 ]

稲葉陽八段と対局する藤井聡太2冠(提供・日本将棋連盟)
Photo By 提供写真

藤井聡太2冠(18)=王位、棋聖=が3日、大阪・関西将棋会館で稲葉陽八段(32)との第80期名人戦B級1組順位戦に臨み、165手で敗れた。第77期で近藤誠也七段(24)に敗れたのを最後に継続した連勝は歴代単独2位の22でストップした。1位は森内俊之九段(50)の26。

「あまり勝機のない将棋になった。B級1組は手強い相手ばかり。その中で力が足りないところがあるのかなと思う」

実力者ぞろいの通称「鬼の住処(すみか)」ことB級1組。持ち時間6時間の順位戦ではこれまで40勝1敗の圧倒的成績だったが、2回戦で洗礼を浴びた形だ。藤井、稲葉ともに1勝1敗となった。

一方、勝った稲葉は「前期から連敗が続いていた。自分の内容をよくしたいと思っていた」。A級だった前期は5回戦から5連敗。降級を経験し今年1月、発表した一般女性との結婚を発奮材料にした形だ。

13人が1年がかりで総当たりし、A級への昇級2枠を争う長丁場。藤井が谷川浩司九段(59)の史上最年少名人記録21歳2カ月を更新するためには、今期でA級昇級し、来期挑戦権をつかむ必要がある。前期、A級へ昇級した永瀬拓矢王座(28)、山崎隆之八段(40)はともに9勝3敗。1敗が即ち命取りではないが、序盤での黒星は避けたいところだった。

戦型は角換わり腰掛け銀。まだ中盤戦の60、66手目の2度、後手の藤井玉が4段目まで進出した。映画「天空の城ラピュタ」に描かれた城のように単騎で上昇する、まとめづらい自陣。ただ、前例の多い進行だっただけに指し手は快調に進み、昼食休憩までの2時間で67手指した。

ところが前例を離れた再開以降、長考が相次ぐ。72手目に藤井が1時間52分。午後6時の夕食休憩までに9手しか進まなかった。

対戦は5度目。NHK杯で稲葉が勝った後、朝日杯、王位戦、銀河戦と稲葉が3連敗した。その3連敗はいずれも角換わり。今回の戦型選択には相応の準備があったと見られ、第75期で名人挑戦も果たしたその構想力に注目が集まった。中盤以降、盤面中央に角、銀と持ち駒を打ち付け、構築した厚み。さらに最終盤、攻防の要だった角斬りの王手で優勢を拡大していった。

藤井は6日から棋聖位の初防衛戦を迎える。挑戦者は渡辺明王将(37)=名人、棋王との3冠=。「非常に注目されている舞台。精一杯指したい」。最多タイトルホルダーを相手に、切り替えに努めた。

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