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取材の原点を再確認した大みそか テクニックを駆使した「最適解」と汗をかき必死の「全力投球」

[ 2025年1月16日 08:00 ]

2024年12月31日、記者が取材した一戦。後半、4得点目を決め喜ぶ帝京大可児・青木(中央)と肩を落とす大分鶴崎イレブン
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12月31日。アマチュア野球記者を担当している私は今年も高校サッカーを「助っ人」で取材した。自分から「高校サッカーの取材をしたいです!」と希望しているので、ここ数年の大みそかはスタジアムで迎えることが恒例となっている。故郷福岡の両親は「12月31日も働くのか...」とあきれているが、本職でない取材の場から得られるものは数多くある。

試合開始までは高校野球取材と大差はない。取材受付を行い、メンバー表を受け取る。「ピー!」と笛が鳴り、キックオフとなると、野球とはまるで違うスピード感で試合が進行していく。野球は一球一球の間と駆け引きを楽しむスポーツだが、サッカーは守備と攻撃が表裏一体。防戦一方と思っていたら、キーパーのパントキック一本で一転、チャンス到来といったように、一瞬も目を離す隙がない。

独立リーグで2年、NPBで6年の審判経験があり、野球記者としては6年目を迎える。野球では試合を見れば、どの原稿パターンがベストなのか見分けることができる。試合をしっかり描いた方がいいのか、戦術にフォーカスした方がいいのか、選手のエピソードに迫った方がいいのか、取材した上で最適解を考えている。

記者はミハイロ・ペトロヴィッチ監督のサッカーに魅了されて以来、サンフレッチェ広島ファン。アウェーの鳥栖や鹿島やガンバのスタジアムも訪れたことがある。戦術を語るYouTuberの配信も見ているし、DAZNも契約してきた。ただ、そんなものは本職のサッカー記者からすると付け焼き刃でしかない。できることは必死に取材して、生きざまに迫ることだけだ。ピッチの熱闘を見ながら、声援を送るスタンドで選手の保護者や関係者を探し、活躍選手のサッカー道をノートに記していった。

試合展開にも恵まれ、1月1日付紙面には担当した試合の原稿を大きく掲載することができた。味の素フィールド最寄りの喫茶店で原稿を書き終えた時、周囲は真っ暗になっていた。ただ、今年も家で紅白を見るよりスタジアムに来て良かった。テクニックを駆使した「最適解」も大事だが、やっぱり目の前の1試合に汗をかいて全力投球することが取材の原点だと再確認できた。3月には社会人野球の東京スポニチ大会、高校野球の選抜甲子園で球春到来。「原点」を忘れずに挑もう。(記者コラム・柳内 遼平)

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