職業分類において仕事とは、一人の人が遂行するひとまとまりの任務や作業をいう。
職業分類において報酬とは、賃金、給料、利潤(個人業主)、その他名目のいかんを問わず、労働への対価として給されたものをいう。なお、賃金・給料等には、現物(自家生産物を除く。)を含む。
したがって、次のような収入は、報酬に当たらない。
職業分類において職業とは、個人が行う仕事で、報酬を伴うか又は報酬を目的とするものをいう。
ただし、自分が属する世帯の家業に従事している家族従業者が行う仕事は、報酬を受けているかどうかにかかわらず、一定時間(例えば、一日平均2時間、あるいは通常の就業者の就業時間の3分の1以上の時間等)当該仕事に従事している場合には、その仕事を職業とみなす。
したがって、次のような仕事は、職業に当たらない。
また、窃盗、恐喝、とばく、売春、密輸等の違法行為及び公序良俗に反する行為並びに受刑者の行う仕事は、いずれも職業とはみなさない。
職業分類は、仕事を分類すると同時に人に対してその仕事を通じて適用し、職業別の統計を表示するために用いられるものである(注1)。
この職業分類の分類項目は、事業所の産業分類、個人の就業形態及び仕事の期間や継続性とは独立に設けられる(注2)。
また、分類項目は、仕事の内容の類似性、仕事に従事する人数等によりその仕事が社会的にどの程度一つの職業として確立しているかを考慮して定める。この考慮すべき仕事の内容の類似性は、次のとおりとする。
(1) 分類表の構成
職業分類の分類表の構成は、大分類(12)、中分類(74)及び小分類(329)の三段階分類とする。ただし、一つの中分類に設ける小分類の数は九個までとする。
大分類の分類項目の名称並びに中分類及び小分類の数は、次の表のとおりとする。
大分類 | 中分類 | 小分類 |
---|---|---|
(計)12 | 74 | 329 |
A−管理的職業従事者 | 4 | 10 |
B−専門的・技術的職業従事者 | 20 | 91 |
C−事務従事者 | 7 | 26 |
D−販売従事者 | 3 | 19 |
E−サービス職業従事者 | 8 | 32 |
F−保安職業従事者 | 3 | 11 |
G−農林漁業従事者 | 3 | 12 |
H−生産工程従事者 | 11 | 69 |
I−輸送・機械運転従事者 | 5 | 22 |
J−建設・採掘従事者 | 5 | 22 |
K−運搬・清掃・包装等従事者 | 4 | 14 |
L−分類不能の職業 | 1 | 1 |
(2) 分類符号の表記
職業分類の分類符号の表記は、次のとおりとする。
職業の決定方法は、以下の判断基準によるものとする。
個人が単一の分類項目に該当する仕事に従事している場合は、その仕事により職業を決定する。
複数の分類項目に該当する仕事に従事している個人を、一つの分類項目に決定する場合は、次の原則により行う。
財・サービスの生産に直接かかわる職業を優先するという観点から、次の大分類項目の順位による(注5)。ただし、大分類符号がEからKまでの大分類は、財・サービスの生産に直接かかわるものであり、これらの大分類間の優先順位はないものとする。
自衛官、警察官、海上保安官又は消防員として任用されている者は、仕事の内容のいかんにかかわらず、それぞれ分類項目の自衛官、警察官、海上保安官又は消防員に該当するものとする。
研究所長、病院長、診療所長、歯科診療所長、歯科医院長、裁判所長、検事総長、検事長、検事正、公正取引委員会審査長、海難審判所審判長、特許庁審判長及び校長は、仕事の内容のいかんにかかわらず、大分類B−専門的・技術的職業従事者に該当するものとする。