季節調整法は、経済指標の季節変動を調整するために広く利用されているものであり、現在、 行政機関等で利用されている季節調整法は、昭和54年9月の統計審議会経済指標部会報告の趣旨を踏まえ、 アメリカ合衆国商務省センサス局で開発された「センサス局法(X-11)」等となっている。
その後、平成7年9月に、センサス局法の新しいプログラムであるX-12-ARIMA(Beta バージョン)が開発され、 平成8年6月に一般公開された。これはX-11等を改良したものとされているが、日本においても一部の研究者等から、 同一時点で比較した場合に、曜日調整の影響によって各手法間で季節調整値に差異が出るとの報告が発表されるなど、 看過しえない状況であった。 このため、平成8年8月に経済指標部会の下部機関として「季節調整法検討小委員会(委員長:美添泰人青山学院大学教授)」 を設置し、新しいプログラム(X-12-ARIMA )の採用の可否について、既存の季節調整法等との比較を行うことにより、 検討することとしたものである。
季節調整法検討小委員会は、平成9年6月まで8回開催し、一般的な評価を受けている手法 (X-11、X-12-ARIMA、MITI法及びDECOMP) の比較を行った結果、いずれの手法を用いてもある程度妥当な結論が 導き出せることなどから、どの手法が最も適切であるかを特定するのではなく、
一般に、季節調整法について理論的に評価することは難しいが、季節調整法検討小委員会において 4種類の季節調整法(X-11、X-12-ARIMA、MITI法、DECOMP) について検討を行ったところ統計作成機関が 今後季節調整法を運用していく上で参考になると思われる結果が得られた。 また、統計利用者側の利用環境が変化し、様々な分析が可能な状況となっており、それに伴い 統計情報に対する需要も増大している。これらの点にかんがみ、各種統計・指数系列に係る季節調整法の適用については、 次のとおり推進するものとする。
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