バンコマイシン耐性腸球菌感染症

(IDWR 2002年第16号掲載) バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、バンコマイシン(VCM :MRSAなどグラム陽性菌に有効な抗菌薬)に耐性を獲得した腸球菌である。健常者の場合は、腸管内にVREを保菌していても通常、無害...

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国立感染症研究所 実地疫学研究センター
感染症疫学センター
2024年4月15日現在
(掲載日:2024年10月23日)

バンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin-resistant Enterococci: VRE)感染症は、1999年4月に施行された感染症法では四類全数把握対象疾患に、また、2003年11月に改正された感染症法では五類全数把握対象疾患となった。VRE感染症の届出対象は2013年3月に変更され(同年4月施行)、「バンコマイシン耐性遺伝子(vanAvanBvanC)を保有する腸球菌(VRE)による感染症」から、現行の「バンコマイシンに対して耐性を示す腸球菌(VRE)による感染症」となった。なお、届出対象は症状や所見からVRE感染症が疑われ、届出基準に規定された検査材料、検査方法によりVRE感染症と診断された患者であり、臨床症状を示さずVREを保菌しているだけの者は届出の対象外となっている(届出基準、届出票についてはhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-14-01.html参照)。また、感染症法に基づく届出の基準として示されたVREの判定基準値は、病院で用いられている判定基準値と異なることがある(文末参考)。

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国立感染症研究所 実地疫学研究センター
感染症疫学センター
2023年2月3日現在
(掲載日:2023年9月27日)

バンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin-resistant Enterococci: VRE)感染症は、感染症法が施行された1999年4月に四類感染症の全数把握対象疾患となり、2003年11月に五類感染症全数把握対象疾患に改正された。VRE感染症の届出上の定義は2013年3月に変更され(同年4月施行)、「バンコマイシン耐性遺伝子(vanAvanBvanC)を保有する腸球菌(VRE)による感染症」から、現行の「バンコマイシンに対して耐性を示す腸球菌(VRE)による感染症」となった。なお、届出対象はVREを起因菌とする感染症を発症した患者であり、VREを保菌しているだけの者は届出の対象外である(届出基準、届出票についてはhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-14-01.html参照)。また、感染症法に基づく届出の基準として示されたVREの判定基準値は、病院で用いられている判定基準値と異なることがある(文末参考)。

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地域的なバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症集積への対応

(IASR Vol. 44 p59-60: 2023年4月号)

腸球菌属は腸管や環境に常在する日和見病原体であり, セフェム系薬やカルバペネム系薬, アミノグリコシド系薬には自然耐性を示すため, 腸球菌感染症の治療においてバンコマイシンは重要な抗菌薬である。それに耐性を示すバンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci: VRE)感染症は, 難治で重症化のリスクが増す感染症であり, 1999(平成11)年4月から感染症法に基づく全数把握対象疾患となった1)。本稿では, 2018年, Z県Y市保健所管内の複数の医療機関でVRE感染症集積事例が発生した際の対応を報告する。

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広島県におけるバンコマイシン耐性腸球菌の地域流行

(IASR Vol. 43 p191-193: 2022年8月号)

はじめに

バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci: VRE)感染症の届出数は全国的に増加傾向にあり, 増加の多くがバンコマイシン耐性Enterococcus faeciumによるものと推測されている1)。広島県内においても2020年以降VRE感染症の届出数が増加し, 2020年は7件, 2021年は21件の届出があり(図1), それらの多くはバンコマイシン耐性遺伝子vanAを保有するE. faeciumによるものであった。そこで, 感染症として届出のあった患者から分離された菌株と各医療機関で実施したスクリーニング検査で分離された菌株について, パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)法を用いた分子疫学解析および全ゲノムシーケンスによるmultilocus sequence type(MLST)解析を行ったところ, 同一クローンの地域流行が示唆されたため報告する。

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急性期病院におけるバンコマイシン耐性腸球菌のアウトブレイクとその感染制御に関する報告

(IASR Vol. 43 p193-194: 2022年8月号)

はじめに

バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci: VRE)による院内感染事例の報告が近年わが国において増加し, 医療機関ではその対応に苦慮している。大阪市内の急性期病院でVREアウトブレイクが発生したが, 感染対策の強化により早期に終息した。その経緯について報告する。

  1. IASR 42(8), 2021【特集】バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症
  2. 感染症法に基づくバンコマイシン耐性腸球菌感染症の届出状況、2019年
  3. 2020年におけるバンコマイシン耐性腸球菌感染症届出患者の増加について
  4. 感染症法に基づくバンコマイシン耐性腸球菌感染症の届出状況、2018年
  5. 大阪府南部の中小病院におけるバンコマイシン耐性腸球菌の患者集積事例
  6. 感染症法に基づくバンコマイシン耐性腸球菌感染症の届出状況、2017年
  7. 感染症法に基づくバンコマイシン耐性腸球菌感染症の届出状況,2007年〜2016年
  8. バンコマイシン耐性腸球菌感染症 IDWR速報(1999年から2011年までの記事一覧)
  9. グリコペプチド耐性腸球菌 IASR 外国情報(1997年から2011年までの記事一覧)

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