千葉県銚子沖 現場レポート
(2012年7月〜8月)
2012年8月21日
銚子沖でも洋上風況観測タワーの設置完了
銚子沖では、洋上風況観測タワーを7つのブロックに分けて製作しており、その組み立てを、
7月30日の現場レポートで紹介した2台のSEPを使って洋上で行いました。
1年を通して夏場が最も天候に恵まれ、風や波が穏やかな日が多いのですが、
数日間連続して良いことは少ないため、天候が良ければ朝早くから作業を行っていました。
その結果、先日、北九州市沖に続いて銚子沖においても、洋上風況観測タワーの設置が完了しました。
国内では2基目であり、これで日本海側と太平洋側の両方に設置が完了したことになります。
なお、本設置作業の一部はビデオ撮影も行っており、後日、NEDOホームページにて公開する予定です。
現場の臨場感が溢れる映像となっておりますのでお楽しみに!
2012年8月9日
洋上風車のお披露目(3)
第3回目は、タワーの紹介です。
タワーは、発電機など風車の重要機器がつまったナセルやブレードを支える最大直径約4mの鋼管です。
タワーは4つに分割されており、洋上で連結。
全長約70mの巨大タワーが銚子市沖合の太平洋上に設置されます。
一連の工事は、国内最大級の自己昇降式作業台船(SEP)「くろしお」に搭載されたクレーンでつり上げ設置します。
洋上風車の設置作業は、天候や海洋の状況に左右されますが、現時点では、8月中にナセルやブレード、
タワーなどを横浜から銚子沖に船舶輸送、9月中を目途に設置を完了したいと考えています。
2012年8月6日
洋上風車のお披露目(2)
今日は風車の中でも一番目立つ部分、ブレード(羽根)の紹介です。
今回製作したブレードは繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)製で、
ハブというブレードの付け根の部分で回転軸に連結されます。
ブレードの長さは約45m。回転直径はなんと92mにもなります。
運転を開始するとブレードは1分間に9〜17回転し、平均風速約13m/秒で定格出力2400kWに到達します。
発電した電気は、実証試験中から海底ケーブルを通して、各家庭・工場等に供給される予定です。
2012年8月2日
洋上風車のお披露目(1)
洋上風車のブレード(羽根)、タワーなどの重要部品が三菱重工業の工場(横浜市)で完成しました。
現在、ブレードの回転を発電機に伝える主軸や増速機等が収納されているナセルも出荷前の最終確認を行っています。
本日から3回にわたってナセル、ブレード、タワーを順次ご紹介します。
初回の今日は、大型バスのような構造物、ナセルです。
今回製作されたナセルは、大海原に設置するため、故障の原因となる塩害に十分耐えられるよう気密性の高い構造になっています。
ナセルに搭載される発電機の冷却のために外気を使いますが、
このナセルには潮風に含まれる塩分を除去する強力なフィルターを通った外気しか入らない仕組みになっていて塩害の心配がありません。
またナセル内には、塩分濃度、温度、振動などの計測器やカメラが搭載されており、陸地から監視・制御できます。
現在、積み込みの準備をしており、8月の中旬に横浜を旅立ちます。
2012年7月30日
銚子沖にSEP船が到着しました
洋上風況観測タワーと洋上風車を設置するため、自己昇降式作業台船(SEP:Self Elevating Platform)が
銚子沖に到着し、海上に設置されました。
船の足に相当する4つの「レグ」と呼ばれる部分が海底に着地しており、台船部分は最大約20m水面上を昇降することができます。
今回使われる「SEPくろしお」は縦48メートル、横25メートルで「国内最大」、4つのレグが海底にしっかりと固定され、
台船の部分はほとんど揺れません。SEP上に配備した大型クレーンを操作し、洋上風況観測タワーと洋上風車の設置作業を行います。
SEP船到着・写真2枚目
左:「SEPくろしお」には大型クレーンと洋上風況観測タワーのプラットフォーム(黄色)が配備されています。
右:「SEPあそ」にはブロック分けされたトラス構造の洋上風況観測タワー(白色)が配備されています。
中央:洋上風況観測タワーの土台にプラットフォーム、洋上風況観測タワーのブロックの順に取り付けます。
(洋上風況観測タワーは7ブロックで構成され海面高さ約100mに達します)