国内初の沖合における洋上風力発電の挑戦―プロジェクト現場レポート―

プロジェクト概要

(1)洋上風力発電実証研究

洋上風況観測タワーと洋上風車

NEDOでは洋上風況観測タワーと洋上風車を千葉県銚子沖及び福岡県北九州市沖の2か所に2012年度中を目処にそれぞれ設置します。

洋上風況観測タワーは海面からの高さ最大200メートルまでの上空の風向と風速を観測できる国内初の観測タワーです。

また、洋上風車は陸上で主流の2,000kW級の国産風車に塩害対策や陸上からの遠隔操作を可能とするシステムを搭載した風車で、 沖合に設置されるのは国内初となります。

実証研究サイトについて

[画像:設置イメージ図]
千葉県銚子沖イメージ図

洋上風力発電に必要な技術

実際に洋上風車で発電した電力を陸上に送電することで、風車の信頼性や継続的に発電を行うために不可欠となる 風車の運用やメンテナンス技術など、我が国で洋上風力発電を導入普及する上で重要となる技術を確立します。

また、洋上風況観測タワーを国内で初めて太平洋側と日本海側に設置することで、洋上の風況特性を定量的に評価することが可能になり、 風車に作用する風荷重の評価や、風況予測手法の検証が可能となります。これらの成果は、今後、洋上風車の発電量予測などに 活用されることが期待されます。

(2)運転開始までのプロセス

洋上風況観測タワーと洋上風車を実際に設置し、運転を開始するまでには陸上と洋上でそれぞれ作業を行います。 NEDOでは2012年度中を目処に陸上作業および洋上作業の完了を予定しており、千葉県銚子沖では年度内中に運用を開始する予定です。 また、福岡県北九州市沖では、2013年度から本格的な運用を開始する予定です。

陸上作業

陸上では、洋上風況観測タワーと洋上風車の各パーツを製作します。特に、海中に設置される基礎構造物といわれる観測タワーや 風車の土台部分は、波浪やうねりなど、実海域で厳しい環境下にさらされるため、水理模型実験や構造実験などを行っております。

洋上作業

千葉県銚子沖及び福岡県北九州市沖に洋上風況観測タワーと洋上風車の設置に当たり、 海底地形や地質調査を実施します。さらに鳥類や魚類等の環境調査を実施します。

また、実際に洋上風況観測タワーと洋上風車を設置する際には、起重機船や自己昇降式作業台船などの国内の海上工事で 一般的に使用される工事用船舶を活用します。

千葉県銚子沖
[画像:銚子市沖工程表]
福岡県北九州市沖
[画像:北九州市沖工程表]

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