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ArCS II北極域研究加速プロジェクト

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沿岸環境課題

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北極域における沿岸環境の変化と
その社会影響
北極域における沿岸環境の変化とその社会影響

研究課題代表者 杉山 慎
研究課題代表者:杉山 慎(北海道大学)

概要

本研究課題では、気候変動の影響を受けて激変する北極沿岸部における環境変動と社会影響を評価し、その緩和対応策を検討します。

特にグリーンランド北西部カナック地域を研究の中心対象地として、GRENE北極/ArCSの取り組みで培った住民との信頼関係に基づいて、地元の住民・行政・企業との対話を踏まえた社会実装を目指すものです。

サブ課題「海洋環境と生態系の変化」では、海水温上昇や氷河融解の影響を受けて変動する海洋環境と海洋生態系が、水産業・狩猟に与える影響を解明します。「氷河氷床変動」では、氷河氷床の質量変動と淡水・土砂流出を定量化し、氷河洪水による災害、海洋生態系への影響、海水面上昇などの社会影響に取り組みます。「陸域・大気・海氷変動」では、沿岸域で頻発する地すべりや凍土融解の解析によって将来的な災害リスクを明らかにし、ドローンを使った気象観測システムによる持続可能かつ精緻な気象予測を目指します。「工学的アプローチ」では、北極域の廃棄物と住環境について環境影響と改善案を検討します。「人文社会科学的アプローチ」では、気候変動と社会の関係性を調査し、他の課題とも連携して北極域住民のウェルビーイングの実現に寄与します。

これらの取り組みで得た研究成果は、地元の住民・行政・企業との共有を通じて、グリーンランド社会へと還元されます。気候変動の影響を受ける現地の当事者と協力して、持続可能な北極域の将来に貢献します。

豪雨による地滑りに襲われたグリーンランド最北のシオラパルク村
豪雨による地滑りに襲われたグリーンランド最北のシオラパルク村
写真/杉山慎(北海道大学)
氷河が流れ込むフィヨルドで現地住民と協力して海洋観測を実施
氷河が流れ込むフィヨルドで現地住民と協力して海洋観測を実施
写真/杉山慎(北海道大学)

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