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ArCS II北極域研究加速プロジェクト

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北極航路課題

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北極海の環境変動を考慮した持続可能な
航路利用の探究
北極海の環境変動を考慮した持続可能な航路利用の探究

研究課題代表者 金野 祥久
研究課題代表者:金野 祥久(工学院大学)

概要

北極海の環境変動を考慮すると、氷勢力の弱化により北極航路(北極海航路、北西航路)の利用は今後増加することが見込まれる他、より耐氷レベルの低い船舶や大型船舶の通航が増加することが予想されています。

一方で、波浪が流氷域により深く侵入し干渉しやすくなること、また極点付近の多年氷や氷河由来の硬い氷が航路に流出する可能性も指摘されています。

このような状況で北極海の保全と持続可能な利用のためには、安全な航行を支援するための航路上海氷情報の提供、経験則ではなく学術的知見に基づく船舶の性能や安全性の評価、および事故への対応はこれまで以上に重要となり、安全を前提とした経済的な航路選定や運航船舶選択を可能とする必要があります。

本研究課題では北極海の環境変動をふまえ、近未来の航路航行支援手法を構築することを目指します。具体的には、現在提供されている氷況情報に加えて、サブ課題として

  1. 海氷厚さや変形氷の情報を含んだ船舶航行に役立つ海氷情報生成手法の開発と提供
  2. 学術的手法に基づく船舶の性能予測(船速や燃費の予測)および安全性評価(構造安全性評価、着氷に起因する運航安全性評価)
  3. 環境影響が特に懸念される油流出事故のインパクト評価と対策手法の検討を実施します。
  4. またこれらを考慮した場合の経済性に着目し、近未来の北極航路の経済性と社会への波及効果を評価します。

    第52次南極観測における南極観測船「しらせ」の航跡
    第52次南極観測における南極観測船「しらせ」の航跡
    写真/尾関俊浩(北海道教育大)
    数値モデルにより推定された2016年9月29日のBC鉛直積算量
    小氷片密集水路を航行する商船のシミュレーション
    図版/金野祥久(工学院大)

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