気象気候の遠隔影響と予測可能性
研究課題代表者:本田 明治(新潟大学)
概要
本課題では、北極域の環境変動および温暖化進行の解明と、それらの予測と適応策に貢献する社会実装を目指し、3つの課題目標を設定しました。
- 北極環境変動に関わる極端現象の理解
- 北極域温暖化増幅および温暖化進行過程の解明
- 極端現象予測と防災・減災対策、および気候変動適応策に貢献する社会実装
上記3つの目標を実現するために、4つのサブ課題を連携して実施します。
サブ課題1は、日本など中緯度帯に災害をもたらす寒気を伴う極端現象発現のメカニズム解明とその予測可能性の向上のために、寒気を伴う上空の低気圧である寒冷渦に着目して国際的にも先例のない極端現象発現指標の構築を目指します。
サブ課題2は、環北極域の季節〜十年規模変動とその温暖化による変調について、北極を取り巻く遠隔影響過程とそれに関わる大気・海洋・海氷相互作用の観点から、過去の変動機構の解明と今後数十年の遷移・進行過程の鍵となる要因特定を目指します。
サブ課題3は、近年の比較的短い期間のデータから得られる気象学的知見を活用し、長期的な将来予測における北極温暖化増幅メカニズムの理解の深化を目指します。
サブ課題4は、北極域固有の陸面プロセスを介した相互作用系が気象・気候変動とその予測可能性に与える影響を評価し、陸面環境変動の役割を総合的に理解することを目指します。