4つの戦略目標と11の研究課題
北極域では、近年「新たな北極」と表現されるような著しい環境変化が進んでいますが、その変化が北極圏はもとより、我が国の社会・経済活動や日々の生活にも影響を及ぼすことがこれまでの研究から明らかとなりつつあります。
北極域は脆弱な環境のもとでバランスしており、一端の変化により温暖化増幅のような複合的・連鎖的な変化を引き起こします。
そのため、国内外の多くの研究機関と協力して、変わりゆく北極における持続可能な社会の実現を目的として、自然科学と工学、人文・社会科学にわたる11の研究課題の分野連携による研究によって環境変化の実態把握とプロセス解明を進め、その影響についての定量的な予測と対応策の検討を行います。
自然科学研究では日本の強みである高い技術を利用した測定データによって実態把握の精度を向上させて気候予測の高度化を目指し、社会利用にまで結び付けて行きます。
この高精度な科学的データを根拠・裏付け情報として利用しながら法政策的な場での国際的発言力を高め、我が国の利益を追求するためだけではなく、国際協調を先導するポジションを目指します。また先住民社会の生活や文化の維持において日本の知見・技術を活用して環境変化への対応を可能とする活動の一翼を担うものです。
戦略目標
ArCS II では、多分野にわたる研究分野の有機的な連携を重要な戦略としています。
4つの戦略目標のもと、自然科学・工学・人文科学・社会科学にわたる11の研究課題の連携により、北極域の環境変化の実態把握とプロセス解明、その影響についての定量的な予測と対応策の検討を行い、統合的な成果の創出を目指します。
戦略目標1
戦略目標2
戦略目標3
戦略目標4
研究課題
ArCS II で実施される11 の研究課題は多分野にわたります。個々の課題は最先端の技術と先鋭的な取り組みにより、北極域研究に係る極めて重要な成果を生み出すことが期待されています。また、課題間の相互連携を促進して研究成果をさらに発展させることで、戦略目標とプロジェクトゴールの達成を目指します。