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JAMSTEC

地球深部探査船「ちきゅう」

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HOME > 「ちきゅう」とは > よくある質問

よくある質問

「ちきゅう」について

「ちきゅう」はいったいどんな船なのか。みなさまから頂いたご質問にお答えします。

1959年の春、著名なウォルター・H・ムンク教授邸での朝食会に集まった地球物理学者達から発せられた「マントルを掘りたい!」という言葉から、「深海掘削」という科学分野がスタートしました。しかし、技術的な問題から、その夢を実現することは難しかったのです。

これまでいくつもの国際科学計画(大きなものでは、国際宇宙ステーション計画)がありましたが、常に米国が主導してきました。そこで、豊かな海洋に取り囲まれている日本が、海洋国家として、さらなる技術立国の発展のために、人類未踏のマントルまで掘削が可能な地球深部探査船「ちきゅう」の建造に着手しました。「ちきゅう」を日本が運用することによって、地球科学の分野で主導的な役割を果たし、人類の未来に貢献しようと強く考えています。

2013年4月東京にて集結した400名もの科学者達

国際シンポジウムを行い「ちきゅう」の研究方向性について議論を行っています。
2013年4月東京にて集結した400名もの科学者達

コアの管理・保管

「ちきゅう」で採ったマントルは、「ちきゅう」の所有者であるJAMSTECの所有ということになります。しかし、マントルは、まだ誰も手にしたことのないものです。もし入手できれば、様々な研究に重要な実験材料となり、人類にとっての大きな宝物です。そこで、JAMSTECとしては、一人でも多くの研究者が成果をあげられるように、マントルを必要とする研究者には、できる限り公平に分配しようと考えています。「ちきゅう」で採取したマントルが、人類の未来に対して多くの貢献ができるようにと考えています。

なお、「ちきゅう」で採られたコア試料は、高知コア研究所のコア保管庫(4度の冷蔵庫)で保管されています。今までに保管されたコア試料は、全長120 kmにも及びます。

「ちきゅう」後部に記載された名称と船籍港

【船籍港】
船は船籍港を定めるよう法律で規定されています。船籍港とは本籍地のようなもので、JAMSTECの本部が横須賀にあることから、「ちきゅう」の船籍港は横須賀港です。

【母港】
船の本拠地あるいは主要な停泊港である母港は、法律で定められているわけではなく、使用者が自由に決めることができます。
「ちきゅう」は、長期間洋上で活動し、乗員の交代や燃料などの物資の補給も洋上で行うので入港する機会は非常に少なく、活動範囲も全世界に及ぶため、母港は特に定めません。

【船級】
自動車が定期的に車検を受けるように、船も定期的に検査を受けなければなりません。
船を検査し、「法律の要件を満たして安全な船ですよ」と認証する機関が船級協会で、認証した船級協会の名称をその船の船級と言います。「ちきゅう」の船級は、NK(日本海事協会)です。世界的に有名な船級協会には、NKの他に、LR(イギリス)、DNV(ノルウェー)、ABS(アメリカ)などがあります。

「ちきゅう」船首に取り付けられたパネル。ここに船舶番号や総トン数が記されています

「ちきゅう」の船舶番号は、「136960」です。船舶番号は、各船舶を識別するための表示で、総トン数20トン以上の日本船舶に、その船舶の船籍港(一般の人の本籍地に相当します)を管轄する機関から付与されることが法律で決められています。「ちきゅう」は日本籍の船なので、船籍港である神奈川県横須賀市を管轄する関東運輸局から船舶番号が付与されています。船舶番号は管轄する役所(「ちきゅう」の場合は関東運輸局)に登録されており、一般の方でも閲覧することができます。

2001年4月25日に岡山県玉野市(三井造船所玉野事業所)で起工し、2005年7月29日に長崎県長崎市(三菱重工長崎造船所香焼工場)で完成、JAMSTECに引渡されました。

「ちきゅう」の命名者代表の山田くんと大庭会長

「ちきゅう」の命名者代表の山田くんと大庭会長

2002年「ちきゅう」進水式

2002年「ちきゅう」進水式

200人乗船することができます。おおよそ100人が乗船員で、50人が科学者や科学技術者です。残り50人は掘削作業の支援をしてくれるサブコントラクター(下請け業者)などが乗船しています。

また、万一避難が必要となった際に全員が退船できるように、75人乗りのライフボートが2艇、50人乗りが1艇、船体の左右両側に3艇ずつ設置され、片側だけで乗船者全員が乗り込める救命艇が備わっています。これは、万一「ちきゅう」が横に傾いて片側しか使えなくなった場合に備えています。

地球深部探査船「ちきゅう」の性能

地球深部探査船「ちきゅう」の性能

「なんて大きい船なんだ〜!」新宮港にて

研究者として研究航海に参加したい!という希望があれば、IODP加盟国の研究機関に所属して応募し、選考で選ばれれば、乗船することができます。また、研究者の他にも、掘削の機械や船を動かす掘削技術者や航海士として、あるいは乗船研究者をあらゆる面からサポートする技術員として乗船するルートもあります。

「ちきゅう」で行う研究計画に研究者として参加するためには、年に2回ある掘削提案の募集期間に提案書を書いて、IODP(国際深海掘削計画)のウェブサイト別ウィンドウから応募します。その提案書には、なぜそこを掘りたいのか、科学的な目的は何か、掘削して得られる知見は何か、なぜそう考えるのか、考える仮定となる背景の説明、掘削の方法、道具は何を使うか、深さはどこまで掘るのか、といった計画案を、その根拠となるデータとともに示します。国際委員会の審査に通り、掘削計画が固まると、いよいよ実際に乗船する研究者の募集が始まります。日本人あるいは日本の研究機関に所属している人は、日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)別ウィンドウという日本の掘削科学の取りまとめの事務局が窓口となります(他に、アメリカとヨーロッパにも窓口があります)。J-DESCのウェブサイトで、航海への乗船応募サイトが、実際の航海の1年?半年くらい前に公開されます。そこへ応募して、見事に選ばれると乗船することができます。

*掘削計画の提案をする人と実際に乗船する人とは、同じ場合もあれば、違うケースもあります。それは、掘削提案から実現まで長い時間がかかるので、実現する頃には別の仕事をすることになった、といったケースもあるためです。また、乗船はしないけど、取ってきたコアサンプルを自分の研究や実験に使いたい、という研究計画書を提案することもできます。

掘削について

「ちきゅう」はある程度の風や波などに耐えて作業ができるように設計されています。しかし、その限度をこえて作業をすることはできません。

「ちきゅう」の船体の安全確保はもちろん、作業している人たちの安全を最優先にしなくてはなりません。従って、常に気象海象予報に注意し、作業条件をこえるような台風や嵐が来ると予想される場合は、掘削している孔井に対する安全措置を講じ、その上で、最終的には噴出防止装置(BOP : Blow Out Preventer)で孔井を密閉します。その後、ライザーパイプをBOPの上部であるLMRP(Lower Marine Riser Package)から切離し、船上に回収した後、安全な海域に避難します。

こんな嵐とのときは掘削を中止して、安全な海域に避難します。

こんな嵐とのときは掘削を中止して、安全な海域に避難します。

深海掘削を行うためには、大きく分けて3種類のパイプが必要です。

1つ目は、「ちきゅう」船体と海底面をつなぐライザーパイプ、これは海底面下を深く掘るために必要なライザーシステムの要になるパイプです。(注記)写真(1)
2つ目は、先端にビット(掘削するための刃)を付けて実際に地層を掘削するためのドリルパイプです。(注記)写真(2)
3つ目は、掘削した穴が崩れないように保護するために入れるケーシングパイプです。(注記)写真(3)
詳しい作業手順を説明している動画がありますので、こちらからご覧ください。

「ちきゅう」は、常時2,500 m分のライザーパイプ(一本平均27 mのため、約90本)を搭載しており、水深2,500 mまでの海底でライザーシステムを運用することができます。

また、ドリルパイプは、常時10,000 m分(一本約9.5 mのため、約1,000本)搭載しています。つまり水深2,500 mの海底からその先7,000 m以上、地中を掘削できます。

最後にケーシングパイプですが、これは海底面下7,000 mを掘削し、その穴が崩れないように維持するのに必要な量を「ちきゅう」は、搭載することが可能です。

まとめると、「ちきゅう」は水深2,500 mから地下7,000 mの掘削をするのに必要な全てのパイプを搭載することができます。

(1)船体と海底面をつなぐライザーパイプ

(1)船体と海底面をつなぐライザーパイプ

(2)地層を掘削するためのドリルパイプ

(2)地層を掘削するためのドリルパイプ

(3)掘削した穴を保護するためのケーシングパイプ

(3)掘削した穴を保護するためのケーシングパイプ

ドリルパイプを吊るす「ちきゅう」のデリック

掘削のスピードを、掘進率(ROP:Rate of Penetration)と呼びます。これは日本周辺の海底を掘削する場合は、一般に
浅部(海底下 約0 〜 1,000 m):1日あたり300 m(毎時15 m)程度
中部(海底下 約1,000 〜 2,000 m):1日あたり150 m(毎時8 m)程度
深部(海底下 約2,000 〜 3,000 m):1日あたり70 m(毎時3 m)程度です。

また、磨耗したビットを取り替えるために、全ドリルパイプを引き上げるのに要する時間は、4,000 mの長さのドリルパイプで約6時間程度かかります。すなわち、毎時600 m程度です。

船上に積まれたライザーパイプ

ドリルパイプという海底を掘るために使うパイプや、ライザーパイプという船と海底をつないでいるパイプは、何度も繰り返し使えます。

ただし、ケーシングパイプという掘った穴を保護するために挿入するパイプは、掘り終わった地層とケーシングパイプの隙間にセメントを入れて固定してしまうので、海底を掘り終わった後もそのまま穴の中に置いておくことになります。

ドリルパイプやライザーパイプは全て認識番号をつけ、年1回程度、パイプ毎に使用状態を検査し、基準に合わなくなったものは交換します。

「ちきゅう」は掘削、特にライザー掘削を行うときは最低3〜4月、長いと半年もの間、同じ場所に留まる必要があります。そのため、人員の交替並びに燃料や食料の補給は、動けない「ちきゅう」に別途運び込む必要があります。

人員の交替について、「ちきゅう」の船員と掘削オペレーターは4週間ごとに交代します。ただし、一度に全員が替わってしまうと引継ぎができないことから、2週間ずつずらして交代します。また、洋上で船から船に乗り移ることは危険なので、人員の交替にはヘリコプターを使います。

物資の補給について、燃料・食料等は大型の作業船を物資を輸送するサプライボートとして使っています。なお、帰りは掘削で得られたカッティングスと呼ばれる掘進に伴って生じる岩石の破片を持ち帰ります。「ちきゅう」は常に自動船位保持装置(DPS:Dynamic Positioning System)で定点保持をしていることから、このサプライボートが「ちきゅう」船体に寄せられると計算が狂ってしまいます。そこで、サプライボートにもDPSが装備されていることが条件となります。「ちきゅう」とサプライボートが同時にDPSで位置保持を行い、その間に「ちきゅう」のクレーンで荷物の積み込み、カッティングスの荷揚げを行うのです。

ヘリコプターによる人員交代 (協力:朝日航洋株式会社)

ヘリコプターによる人員交代
(協力:朝日航洋株式会社)

研究に必要な資機材や燃料、新鮮な食料品を運んでくれます。逆に「ちきゅう」から出たゴミや廃棄物を運んでくれます。「ちきゅう」周辺の気象や海流の測定を行ったり、「ちきゅう」周辺の見回りもしてくれる等、とても重要な役割を担っています。

研究に必要な資機材や燃料、新鮮な食料品を運んでくれます。逆に「ちきゅう」から出たゴミや廃棄物を運んでくれます。「ちきゅう」周辺の気象や海流の測定を行ったり、「ちきゅう」周辺の見回りもしてくれるなど、とても重要な役割を担っています。

ドリルパイプを回転させるためのトップドライブ

確かにドリルパイプを回せば、摩擦による抵抗を受けます。この力が「ちきゅう」を反対に回そうとするトルク(回転する力)になります。しかし、これを消すための特別なテクニックは、実は必要ありません。

「ちきゅう」に装備されているドリルパイプを回転させるためのトップドライブと呼ばれる装置は、海底を掘る抵抗を上回る最大トルク約17.4t-mの能力を有しています。
これは世界最大級のもので、ドリルパイプの回転により「ちきゅう」を回そうとする力はこのトルク以下になります。ドリルパイプを回すことによる回転力は、これに対抗して一定の位置を保とうとする「ちきゅう」の能力に比べればはるかに小さく、これらの中で十分吸収されることになります。

「ちきゅう」は、より深く掘削するためにライザー掘削技術を科学研究用に初めて導入しました。ライザー掘削では噴出防止装置(BOP:Blow Out Preventer)とライザーパイプによって海底と船とが繋がっており、ライザーパイプの中にドリルパイプを通して海底下の掘削を行っています。

ライザーパイプの内部には、地層を掘り進むためのドリルパイプがあり、泥水(でいすい)と呼ばれる物理的・科学的調整を施した特殊な液体を、船上のポンプによってドリルパイプの内に送り込み、孔の底まで流し込みます。

送られた泥水は、ドリルパイプの先端のコアビットから噴出した後、孔内では孔壁とドリルパイプの隙間、海底面から船上までは、ライザーパイプとドリルパイプの間隙を通って上がって(Rise:ライズして)きます。
この泥水循環が深く掘るほど高くなる地層の圧力を抑え込み、同時に孔壁を保護したり、ビット等の孔内機器を冷却したりすることにより、海底下数千メートルを掘り抜くことが可能となります。また、BOPにより、突発的な地層内の高圧流体の噴出を防ぎ、安全な掘削が可能になります。

ライザー掘削とは

ライザー掘削とは

海洋科学掘削での最深深度は、NanTroSEIZE Exp.348 C0002における海底下3,058.5 m(水深1,939 m)です。

2013年12月、この当時の科学掘削での世界最深度を達成しました!(海底面から下2,467m)この後、さらに掘り進めて、2014年1月には、3,058.5 mに達し、世界最深記録を更新しました。

2013年12月、この当時の科学掘削での世界最深度を達成しました!(海底面から下2,467 m)
この後、さらに掘り進めて、2014年1月には、3,058.5 mに達し、世界最深記録を更新しました。

港にいるときも週1回は避難訓練を実施しています

まずは、事前の十分な準備が必要です。これは、資機材を集めるだけではなく、関係者が集まって、想定されうるあらゆるリスクを挙げ、その対策を皆で講じ、万一に備える準備です。

次に、余裕を持たせた計画案作りも大事です。自然相手ですから、何が起こるかわかりません。台風や爆弾低気圧など、荒天待機をすることも想定して、予定を詰めます。

ここを掘ったらどうかな?皆で、真剣に議論している様子

広い海域、どこを掘ったら科学的に意義があり、面白いのでしょう。10年毎に見直しをしている地球科学掘削計画には生命、地球変動、気候変動、地球史という4つの大きなターゲットを設けました。それぞれに興味を持つ研究者が、特定の海域での掘削計画を立てます。提案場所は、科学的に面白く広く興味を惹くような海域かどうか、危険性は含んでいないか、安全に掘れる環境下にあるか、など様々な条件をクリアし、さらに国際委員会にて承認される手続きが必要です。

掘削提案書は、年に2回、4月と10月にウェブサイトから申し込めます。国際委員会の評価を受けて、必要な事前調査データを揃えて、安全面に問題はないか、リスク管理の観点から議論され、計画案の詳細を詰めていきます。いよいよ掘削の許可が下りると、実現に向けてさらに複数年かけて資機材の手配や乗船研究者の公募などの準備を進めていきます。一つの海域での掘削航海の実現には、平均でも10年近くの年月が費やされています。

これまでに「ちきゅう」が掘削した場所で例を挙げますと、南海トラフ掘削の場所は、1944年東南海地震の破壊域にあり、かつ掘削によって到達可能な深度にプレート境界断層及び巨大分岐断層があるということで、選定されています。

東北沖緊急掘削の場所も、同様に巨大地震を引き起こしたプレート境界断層に到達可能な場所で、岩石サンプルを直接採取し、断層面の摩擦熱の長期変化を地震発生後早期に直接計測することを目指して選定されました。

下北八戸沖石炭層生命掘削では、海底下深くに埋没した石炭層に関連する炭化水素循環システム等を明らかにすることを目指しました。

「ちきゅう」による日本周辺の掘削地点図(2018年3月時点)

「ちきゅう」による日本周辺の掘削地点図(2018年3月時点)

全世界の科学掘削地点図。緑色が「ちきゅう」によるIODP Exp.348まで(C0001-C0022)、青のMシリーズは、ヨーロッパによる特定掘削船のサイト、赤のUシリーズは、米国主導のJoides Resolution 号による掘削点

全世界の科学掘削地点図
緑色が「ちきゅう」によるIODP Exp.348まで(C0001-C0022)、青のMシリーズは、ヨーロッパによる特定掘削船のサイト、赤のUシリーズは、米国主導のJoides Resolution 号による掘削点

科学について

地震は断層運動として捉えられていますが、その断層運動のエネルギーは断層面で接した所での歪(ひずみ)の蓄積と考えられています。その歪は断層面の摩擦強度に依存していて、特に地震の時にのみ動く場所を「アスペリティー」と呼んでいます(Asperity:アスペリティーを直訳すると「でっぱり」というような意味となります)。このアスペリティーでの摩擦強度が弱まる現象が起こったときに地震が発生します。

結論としては、掘削によって巨大地震が引きこされることはありません。掘削が仮にアスペリティーを掘削したとして、アスペリティー全体の破壊を進行させるような影響、特にアスペリティー内の圧力を上昇させ、破壊を引き起こす事(摩擦強度が小さくなる)とは、掘削は逆のセンス(圧力は下がる)です。何よりもスケールとしてはアスペリティーが数十キロオーダーあると考えられているのに対して、掘削孔は直径20センチメートル程度ですので、針でつつくよりも小さい穴をあける事と同じです。全く無視できると考えてよいかと思います。それでも「ちきゅう」は掘削前に様々な探査技術を使って、地下の状況を特定し、その上で掘削計画を立案し、様々な専門家の評価を受けて掘削を行っています。

IODP南海掘削の計画概要図

IODP南海掘削の計画概要図

マントルは固い岩石で、液体のマグマではありません。地下600 km位の深さまでのマントルは、かんらん石のたくさん集まったかんらん岩と考えられています。このかんらん石はペリドットと呼ばれる宝石として有名です。また地下600 km程度よりも深い部分では、かんらん岩と同じ化学組成を持つ高圧で安定な岩石であると考えられます。マントルは長い年月を掛けて変形しながらゆっくり流れていて、地球内部を対流していると考えられています。大西洋中央海嶺の下では、このかんらん岩がより地下深くから対流によって上昇しています。

かんらん岩は、温度が上がるか、圧力が下がるか、またはこの両方の作用によって少しずつとけてマグマを作ります。液体であるマグマは、固体のかんらん岩よりも浮力が大きいので、かんらん岩の対流よりも早く地表(海底)に到達し、そこで冷やされて海洋地殻を作る岩石(玄武岩)になる、と考えられています。

地球内部の構造は大まかにわかっていますが、直接マントルまで行ってその物質を手にした人はいません。また同じマントルかんらん岩でも、温度や圧力の違いによって、また地球形成初期からの長い年月をかけて、化学組成が変化していると考えられます。さらに詳しく地球内部を知るためには、実際に海底を掘削し、今現在上部マントルを構成している岩石を採取して、研究する必要があるのです。

マントルからやってきた!かんらん岩(緑色の部分)

マントルからやってきた!かんらん岩(緑色の部分)

かんらん岩のコア試料。オリーブ色(深緑色)からオリビンと名付けられた。

かんらん岩のコア試料。オリーブ色(深緑色)からオリビンと名付けられた。

マントルの石と言われる緑色のかんらん石(ペリドット)。指輪などに用いられる。

マントルの石と言われる緑色のかんらん石(ペリドット)。指輪などに用いられる。

ご質問の通り、「温度が一定」のまま「急激に圧力が下がる」と、物質は断熱膨張して融解すると考えられます。これを減圧融解と言います。

しかしマントルを掘削する場合、掘削泥水で冷やしながら、徐々に掘っていくので、"温度一定"で"急に"圧力だけが下がるというわけではありません。つまり、減圧融解を引き起こす要因を満たしません。

よって、このような減圧によるマントルの融解は起こらないと考えられます。

1つの航海は、2ヶ月ほど続くこともあり、広い船内といえども、閉鎖空間のため、ストレスが溜まることもあります。そのため、積極的に色々なことでストレス発散を試みます。

食事は6時間ごとに食堂が開きますので、一日4回食べるチャンスがあります。そんなに食べてばかりだと大変なことになってしまうので、ジムで走ったり、自転車をこいだり、卓球の国際対抗試合やサウナやジャグジーで汗を流すようにしています。研究統括(学級委員のような役割のスタッフ)が、季節のイベントを計画したり(クリスマス、イースター、ハロウィーン、航海の中間日のハンプディパーティなど)、お習字大会やお茶会を開いたり、規則正しい生活の中に楽しみも入れ、変化に富んだ生活になるように工夫しています。

卓球の国際対抗試合

卓球の国際対抗試合

卓球の国際対抗試合

卓球の国際対抗試合

ヘリデッキから見る夕日

ヘリデッキから見る夕日

Happy Birthday!!

Happy Birthday!!

船上でのごはんはバイキング形式

船上でのごはんはバイキング形式

綺麗な景色でリラックス

綺麗な景色でリラックス

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