なぜ、法人営業の会社は
消費者相手の商売で失敗するのか?
詳細はこちら
さらに消費者は、法律でその権利がしっかり守られています。例えば「消費者保護法」では、一定期間内であれば1度購入した商品でも返品できるなど、消費者に対してかなり手厚い保護がかけられています。
ところが法人相手の商売では、この構図が逆になります。
例えば「下請法」という法律は、買い手の大企業が売り手の中小企業に対して過度な要求をすることを強く戒めています。買い手が協賛金などの名目で支払代金を減らしたり、支払日を一方的に遅らせたりすれば、下請法違反と見なされるわけです。
中小・零細企業相手の商売では「下請法」は適用されないものの、「消費者保護法」のような買い手優位の法律はありません。
このように、法人相手と消費者相手の商売では、その文化が大きく異なります。こうした文化の違いから、法人営業の会社が消費者市場に手を出してもうまくいかないのが現実です。にもかかわらず消費者市場が魅力的に見えてしまうのは、多くの経営者が法人営業に対して誤解しているからだと思われます。
では、それはどんな誤解なのでしょうか?
誤解1:
法人営業は新規開拓が難しい
法人営業に対してよくある誤解として、次の3つを挙げることができます。
【誤解1】法人営業は新規開拓が難しい
【誤解2】法人営業は値下げ要求が厳しい
【誤解3】消費者市場のほうが大きいし簡単に見える
まず【誤解1】ですが、多くの会社、とくに中小企業というのは新規開拓が苦手です。苦手であるがゆえに、新規開拓は難しいものだと思い込んでいます。
中でも大企業相手の新規開拓は非常に難しいと思われています。
実際、コンサルティング現場で新規開拓の指導をすると、顧問先の営業マンから「大企業との新規取引は難しいです」とよく言われます。「今の大企業は取引先を絞り込もうとしていますから、新規取引など到底無理な話ですよ」と彼らは言うわけです。
しかしここで、中小企業の経営者がはっきり理解しておくべきことがあります。それは次の真実です。
「営業マンは新規開拓のやり方を知らない」
彼らは新規開拓のやり方を知りませんし、知ろうともしていません。そもそも新規開拓など最初からやる気がないのです。にもかかわらず営業マンの「大手は新規取引してくれません」という報告を鵜呑みにするから、新規開拓は難しいという誤解が生じるのです。