韓国・現代自動車が「脱中国・米国シフト」に大成功、トヨタを上回るロビー活動が奏功
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韓国の現代自動車は、注力エリアを技術流出リスクや価格競争の激化するリスクが高い中国から米国へと移し、躍進している。次々と降り掛かる政治的な難題をすり抜け、米国市場を中心にEV(電気自動車)などの販売台数を伸ばしているのだ。北米市場で日系メーカーをも凌駕しつつある同社の戦略に迫る。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
かつての「模造品」がいまや「モデル」に
米国販売100万台に迫る
韓国の現代自動車は、中国での売上高の減少を、米国市場での成長によってカバーする戦略を着々と実行してきた。
下図は、北米での現代の販売実績を示している。2018年に87万台超だった販売台数は、22年には94万台超と、大台の100万台達成も射程圏内に入っている。特に今年に入ってからの伸びは著しい。米国でのハイブリッド車(HV)とEVの販売台数が9月までに21万台を突破し、昨年1年間の販売台数を早くも抜いたのだ。
車種別に見ると、SUVタイプの「ツーソンハイブリッド」が3万台、次いで主力のEV「アイオニック5」が2万5000台をマークしている。
現代が米国で躍進できた要因は、クルマの競争力だけではない。同社は巧妙な販売戦略のみならず、ロビー活動による政治工作で米国での売り上げ増に成功した。
次ページでは、向かい風を跳ね返すかのごとく、次々と壁を乗り越えた現代の軌跡を紐解く。
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