55歳、貯金100万円の「おひとり様」が定年準備で始めた月1万円の"幸せ支出"
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定年直前は、多くの人が動揺します。特におひとり様、転職経験が少ない人、管理職などは、収入の激減や自分の居場所・肩書、所属先が失われること、生活の変化に極端に不安になります。しかし、実際はどうなのでしょうか。定年後に幸せになっている人は1万円ほどの少ない金額でも小さい幸福を感じる機会を作っていて、少しの緊張感を持ってモチベーションを維持しているという共通点がありました。(生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)
貯金1500万円で不安な人、100万円で安定している人の違い
定年前後は多くの人が自分の生活の変化に動揺してしまいます。
岩田仁(仮名)さんは、55歳の時は「定年前には早く仕事を辞めたい」「ストレスのない生活、定年を待ち構えている」と笑い飛ばしていました。それなのに、60歳になると、会社が定年を延長してくれなかったことに腹を立て、上司や会社の不満をまき散らすばかりか、自分のおかげで契約した取引先との契約さえ解約しようとしています。
実は、岩田さんのような人は、特別ではありません。定年直前になると、会社から辞めさせられ、自分だけが認めてもらえてないと激怒したかと思ったら、次の仕事が見つからず、自己否定に陥るなど、不安定になる人がいます。
一方、中には、定年前後も、精神的に落ち着いて、今でも幸せに過ごせているおひとり様もいます。
例えば、岩田さんは1500万円もの貯金があるのに動揺しましたが、岩田さんの1歳年下でおひとり様の妹・裕子さん(仮名)は、同じ55歳の時、100万円の貯金しかなかったのに、今は、明るく、いきいきと幸せに暮らしています。
いったい何が違ったのでしょうか。
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