米中間選挙で「赤い波」不発、トランプ氏がごねても通用しない理由

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米中間選挙で「赤い波」不発、トランプ氏がごねても通用しない理由Photo:Joe Raedle/gettyimages

米国の中間選挙において、共和党は下院で事実上勝利したが、選挙前に予想されていた「レッド・ウェーブ」(赤い波)といえるほどの大々的インパクトは残せなかった。そしてトランプ前大統領は今回も、自身が推した上院議員候補が落選した際に「不正があった」と主張しているようだ。だが、こうした手法が間違いであり、今の米国では通用しないことをそろそろ学ぶべきだ。そう言い切れる理由を、歴史的背景をもとに解説する。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)

負けたときだけ「不正だ!」と騒ぐ
トランプ氏は都合がよすぎる

米国の中間選挙が11月8日に行われた。上院選は大接戦となったが、民主党が定数100議席の半数である50議席を確保した。

残り1議席のジョージア州では、12月6日に決選投票が行われる。最終的な選挙結果の確定には時間がかかる模様だ。

下院選では、共和党が僅差で過半数を獲得する見込みだ。ただし、共和党は下院で事実上勝利したものの、選挙前に予想されていた「レッド・ウェーブ」(赤い波=共和党の地滑り的大勝利)といえるほどの大々的インパクトは残せていない。

ドナルド・トランプ前大統領は「大勝利」を宣伝しているが、実際のところ、彼が推薦した共和党の新人候補は軒並み苦戦した。

トランプ氏は次期大統領選に出馬する意向だが、共和党内ではトランプ氏の求心力が急激に低下していると報じられている。自身への忠誠心を重視し、政治家としては未熟な候補者を推薦した結果、敗戦が続いたためだ。

一方、ジョー・バイデン大統領は、民主党が事前予想に反して善戦したことでレッド・ウェーブが起きなかったとして、「民主主義にとってよい日になった」と評価。「民主主義こそが米国のあるべき姿なのだ」と強調した。

またバイデン大統領は、「共和党と協働する用意はある」という呼びかけも行った。

この結果を踏まえて、私は共和党とその支持者たちに言いたいことがある。

彼らはトランプ前大統領が敗れた2020年米国大統領選挙の結果が「不正」だったと主張し続けているが、これが間違いだと認めたらどうか。

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