パナソニックvs日立・ソニー・シーメンス...競合6社の「イノベーション格差」は歴然
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自動車部品や製造現場の効率化などを成長事業に掲げたが、結局伸ばせず、家電の会社に先祖返りしたかに見えるパナソニック――。その迷走ぶりは、特許の出願件数にはっきり表れていた。特集『パナソニックの呪縛』(全13回)の第11回では、デジタル化の技術を一貫して磨いてきた日立製作所や独シーメンスなどとパナソニックの研究開発を比較し、実力差を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
家電の「次の飯の種」がない
パナソニック研究開発の停滞
2012年に津賀一宏氏が社長に就任してからのパナソニックの迷走ぶりは、企業のイノベーション力を決定づける研究開発にも悪影響を与えてしまったようだ。
津賀氏は14年3月期までに、前任者の成長戦略を否定してプラズマディスプレーから撤退すると、家電などのBtoC(一般消費者向けのビジネス)事業から、自動車事業(車載機器と車載電池)をはじめとしたBtoB(企業向けのビジネス)事業に注力分野をシフトした。
ところが、自動車事業は期待通りに成長せず、注力分野からテコ入れが必要な「再挑戦事業」へ格下げされた。結局、全セグメントの中で、売上高でも営業利益でも家電が最も大きな比率を占める「家電の会社」から脱することはできなかったのである。
それでは、企業の将来の競争力を左右する特許には、家電以外の事業の次の成長の萌芽が見えているのだろうか――。ダイヤモンド編集部がパテント・リザルトの協力を得て、パナソニックの特許出願状況を分析すると、むしろ家電の特許の比率が増えており、家電の会社に先祖返りしている実態が浮かび上がった。
これに対し、独シーメンスや日立製作所の特許出願状況には、デジタル化のソリューション事業に重心を移す両社の戦略が表れていた。
では各社の研究開発費の規模や、分野別の特許出願件数の変遷を見ていこう。
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