中学理科を学び直すと日常風景が一変!実はリニアモーターも身の回りに
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中学校時代の理科を学び直すと、平凡だと思っていた日常風景が違って見える。電信柱に対して斜めに付けられた、黄色のプラスチックで覆われているケーブルが記憶にないだろうか。それが果たす役割は中学理科で説明できる。また、「未来の乗り物」であるリニアモーターカーの基本原理は、私たちの身の回りにすでに浸透しているという。特集『あなたの人生を変える!「独学力」』(全10回)の#9では、ドラマ「ガリレオ」などの実験の監修を務めた滝川洋二氏が解説してくれた。(寄稿 NPO法人ガリレオ工房理事長 滝川洋二)
中学理科で学ぶことは実践的知識
身近な応用例に興味を持とう
中学校の理科の勉強は、何のためだったのか。受験のため?いや、違う。中学理科で学んだことが、社会のいろんなところで応用され、役に立っている。生きていくために必要な知識だからである。
あなたの街でも、そんな活用例を発見できる。
電信柱に対して斜めに付けられたケーブルを見掛けたことはないだろうか。下が黄色のプラスチックで覆われたものだ。
下写真のパターンはどうだろう。あまり見掛けないかもしれないが、左の方に細い柱が立てられており、よく見ると、2本の線で右の電信柱とつながっている。
左の柱は、どんな役割を果たしているのか。右の電信柱は電線の角に位置し、右上と右下に向かう二つの電線があることが分かる。図内下部の「教科書Check!」を見てほしい。中学理科で習った「力の合成」の通り、電信柱は二つの電線の「合力」で右に引かれている。左の柱は、電信柱が右に倒れないように支えているわけだ。
上写真の下が黄色のプラスチックで覆われているケーブルも、働きは同じ。ケーブルと反対の方向に、電線による合力が生まれているため、倒れることのないように力を分解している。道路の関係でケーブルが設置できないような場合に、下写真の柱のような変則パターンになるわけである。
地球上のあらゆる物体には、地球の中心に向かって引っ張られる力、重力が働いている。その力の大きさは、ニュートン(記号N)で表し、100グラムの物体に働く重力の大きさが約1N(正確には0.98N)だ。
同じ質量である100グラムの物体を、月面に持っていくと約6分の1Nになり、手に持つとかなり軽く感じるに違いない。
逆に、地球よりもはるかに質量が大きな木星の雲の上では、100グラムの物体に約2.5Nの重力が働く。体重が60キログラムの人でも150キログラムとなり、動くのもかなりつらくなりそうだ。
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