地銀の雄コンコルディア大矢社長が説く「コロナ禍での地域金融の使命」

大矢恭好・コンコルディアFG社長インタビュー

ダイヤモンド編集部
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銀行vsコロナ#11Photo by Masato Kato

コロナ禍の影響を色濃く受けるのが、全国各地の中堅中小企業だ。特集『銀行vsコロナ』(全12回)の#11では、業績不振に陥った地方企業を地方銀行はどう支えるべきなのか、地銀の雄である横浜銀行と東日本銀行を傘下に持つコンコルディア・フィナンシャルグループの大矢恭好社長に聞く。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

箱根の温泉宿や中華街をコロナが直撃
手元資金の枯渇に悩む企業から相談急増

――新型コロナウイルスの感染拡大は、傘下の横浜銀行の地盤である神奈川県にどのような影響を与えていますか。

箱根の宿泊施設や中華街の飲食店など、マイナスの影響を受けている企業は県内にかなり多い。

ただ、コロナ禍を理由とした企業倒産はあまり出ていない。背景にあるのは、東京都の隣にあり東京都に次いで過去の不動産バブルやリーマンショックの影響を受けているからか、神奈川県の企業は堅実に経営をしていて内部留保が厚いことだ。

一方で緊急事態宣言が延長された5月から、(1日以降に)民間の銀行でも無担保・無利子融資の受け付けが始まったこともあり、今まで民間の銀行からの借り入れに頼っていなかった中小零細企業からの融資の相談が非常に増えてきている。手元の資金が1〜2カ月分ほどしかなかったところに、緊急事態宣言の解除が1カ月近く延長されたことで、どうしようかと困っている企業が多い。そうした企業への資金支援に、迅速かつ真摯に対応している。

私たちも(融資の貸し倒れに備える)引当金を前期決算で積み、今期決算でもさらに積み増す。確かに体力がある企業は多いが、ビジネスモデルの変革にちゅうちょしていたり、再生途上にあったりする企業では、残念ながらデフォルトにつながるケースも出ると想定している。事業を誰かに承継するなどして、雇用を残すことが大事だ。そのために銀行として債務免除という痛みを受けながら、抜本的なサポートをしていく。

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