地銀「存在価値」ランキング、全国104行総点検で"要らない地銀"浮き彫り
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地域銀行の存在価値は、その名の通り地方経済を下支えできているか、地方顧客に必要な金融サービスを提供しているかで図られるものだろう。特集『選別される銀行』(全15回)第2回では、四つの独自指標を基に、地銀104行のうち地方に欠かせない銀行はどこなのかを試算した。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)
地銀104行を独自ランキング
地方に必要な銀行を4指標で試算
「今この局面で、プロパー融資を張れる銀行かどうかをお客さんから見られている」(東海地方の地域銀行支店長)
新型コロナウイルスが猛威を振るい、中小企業を中心に資金需要がにわかに高まっている。銀行が出す融資には大きく2種類あり、各地の信用保証協会の保証が付いた融資と、銀行自らが貸し倒れリスクを抱えるプロパー融資だ。
銀行は、保証付き融資であれば、たとえ取引先企業が倒産しても自らの財務は傷まない。このため、先行きの見えないコロナ危機のさなかでは、保証付き融資を優先する心理が働きがちだが、冒頭の支店長はその姿勢を見透かされた地銀は企業からの信頼度を落とすと見る。
ただ同時に、「保証付き融資だって無制限ではない。取引先企業がその枠をうちの銀行に持ってきてくれるかどうか」(別の地銀関係者)も銀行は気にかけているという。
低金利環境が長引き、地銀の収益基盤がもろくなってきた今、地方の企業に向き合い、信頼関係を築けているか否かが地方の存在価値を占うことになる。コロナ危機は地方の真価を問う試金石ともなる。
そこでダイヤモンド編集部では、相対的に見たときに地方に必要とされており、存在価値が高いといえる地銀はどこなのかを四つの指標でランキングした。詳細な作成方法は、最後のページにまとめて記載している。早速、一つ一つのランキングの中身を見ていこう。
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