イタリア総選挙「ポピュリズム旋風」で再燃する欧州金融リスク
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与党が惨敗、右派連合が最大勢力に
イタリア総選挙後のパワーバランスは?
欧州では昨年3月のオランダを皮切りに、6月の英国、フランス、スペイン、9月のドイツと、主要国で総選挙が相次いだ。その事実上のフィナーレとして注目されたのが、先日3月4日に行われたイタリアの総選挙(上院定数315、下院定数630)であった。
この総選挙では、ジェンティローニ首相を擁する中道左派の民主党(PD)を中心とする左派連合と、ベルルスコーニ元首相が率いる中道右派のフォルツァ・イタリア(FI)を中心とする右派連合、さらに人気コメディアンのベッペ・グリッロ氏により結党された民族主義政党である5つ星運動(M5S)が、文字通り「三つ巴」となる形で議席を争った。
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注目が集まった下院選では、大方の予想通り、FIを中心とする中道右派連合が259議席(得票率37.0%)を獲得し最大勢力に躍進した。また民族主義政党のM5Sも議席数を112から220に増やして(同32.7%)、第二勢力の座を手中に入れた。一方で、与党PD率いる中道左派連合は112議席(同22.9%)と惨敗し、党勢を大きく弱めることになった。しかしながら、どの勢力も議席の単独過半数を獲得できなかったため、新議会は「ハングパーラメント」(宙吊り議会)の状態となっている。
3月23日までに新議会が招集された後、PD出身のマッタレッラ大統領が正式な組閣要請を行うことになる。この間、水面下では次期政権発足に向けた協議がなされることになるが、メインシナリオとしては、党勢とは裏腹に有権者の支持が相応に高い現職のジェンティローニ首相が続投し、その上でPDとFIという左右の有力政党を中心とした挙国一致内閣が成立する公算が大きい。
仮にPDとFIによる連立協議が不調に終わった場合だが、再選挙も視野に様々な可能性が考えられる。テクノクラート(上級官僚)出身の首相を擁する形で挙国一致内閣が成立するかもしれないし、態度を軟化させたM5Sが政権入りするかもしれない。いずれにせよ、どの政党も減税や最低賃金の引き上げなどのバラマキ型の公約を打ち出す中で、新政権は大衆迎合(ポピュリズム)色を強めることになるだろう。
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