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[画像:Photo_2]中見 利男:著、KKベストセラーズ(2003
読後感:☆
【ローマ法王が謀るブッシュ転覆のシナリオ。国連を支配し、中東や北朝鮮に眠る金脈の独占を目論むアメリカ。その欺瞞を見破り、この一極支配を打倒しうるバチカンの秘策。そして、日本がとるべき究極の選択肢とは。】
なにやら陰謀論めいているが、そうでもない。著者はキリシタンではないとのことだが、世界(特に欧米)の動きの背景にあるものを理解するには、聖書になにが書かれてあるかが分かっていなければならいとのことから、結構勉強したようである。
バチカンには黒い噂もあるため、これを読んだだけでは勿論理解できない。が、バチカンにはカトリック信徒10億人とも云われる、情報網があり、これは各国の諜報機関も舌を巻く程であるというのは確かのよう。戦中の日本も、昭和天皇を筆頭に、バチカンを通じて連合国との和平を模索していたとのことである。
表紙にブッシュがいるのを見てわかるとおり、ブッシュ(ネオコン)政権が悪の枢軸(イラク)をフルボッコにしようと画策していたころの世界情勢の下で読んでこそ、面白みもあるといえる。今読んでも、「ブッシュ・ネオコン政権はハルマゲドンを起こす気」だったと云われても、なんだかんだで、終わりなき日常が流れっていってしまっているわけで、緊迫感は薄い。
要約すると、
1バチカンはアメリカのネオコン宗教(キリスト原理主義)と政治の結びつきを憂慮しているらしいこと。キリスト原理主義とは、メシアの再来の為には、最終戦争が起きなければならないと本気で思っているキリスト教の一派のことである。
2バチカンは宗教対立、民族対立、政治対立etc、あらゆる対立を乗り越える象徴として、故マザー・テレサの影響力を利用(良い意味で)しようとしている。
3ネオコン宗教とバチカンにおいて、ヨハネ黙示録の預言にある、東の果ての国の果たす役目について、見解が異なるものの、その国が日本であると考えているらしいこと。
ヨハネ黙示録の預言に対する異なる見解であるが、引用すると、
ネオコン宗派(キリスト原理主義{聖書原典主義派})の考える、日本が果たすべき役目は、 ヨハネ黙示録 16の12〜16より、
「つまり彼らネオコン宗教にとっては、日の出る方角、つまり東の果てから王たちが軍隊を引き連れて来なければならないのである。これを成就するために最も困難なことは、憲法九条のある日本から軍隊を出せるようにしておかなければならないということだ。」p192
バチカンの考える、日本の果たすべき役目は、ヨハネ黙示録 7の2〜3より、
「つまりこの部分だけでなく、聖書の根本理念には、一貫して救世主は東から来るという考え方「が強くある。ということは、ネオコン宗教の計画を打ち破るためには、軍隊を送り込むのではなく、東の果ての国が破壊をやめるよう世界に向かって声をあげなければならないということだ。」p194
無宗教の国に、世界の調停者になることを期待しているというのが、著者の語るバチカンの姿である。
オレが思うには、聖書記述者の居た当時の世界観は、聖書にも反映しているはずで、であるなら、東の果ての国って日本のことじゃないんじゃないの?、ってこと。預言とは神から預かる言葉のことだが、潜在意識にあるものとか、前知識とか、いろいろ影響あると思う。
*これとあわせて読みたい本として、
http://www.amazon.co.jp/%E6%A0%B8%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%82%92%E5%BE%85%E6%9C%9B%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BA%BA%E3%81%B3%E3%81%A8%E2%80%95%E8%81%96%E6%9B%B8%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E6%B4%BE%E6%BD%9C%E5%85%A5%E8%A8%98-%E6%9C%9D%E6%97%A5%E9%81%B8%E6%9B%B8-%E8%B6%8A%E6%99%BA-%E9%81%93%E9%9B%84/dp/4022594861
と、「バチカンの秘密―見えざる世界帝国の真実 赤間剛 著 三一書房」
http://books.rakuten.co.jp/rb/187317/?scid=af_pc_etc&sc2id=108238854
もお薦めしたい。
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