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2011年5月16日 (月)

神は沈黙せず

神は沈黙せず afb

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山本 弘:著

角川書店,2003

読後感:☆

【超常現象はすべて「神」からのメッセージだった! 奇才が放つ1300枚!

この世界は、人類は「神」と呼ばれる知性体のシミュレーションなのではないか?人工知能学者である兄の行方を追ううちに、妹・優歌がたどり着いた世界の真相とは!?山本弘が放つ、長編SFエンタテインメント!

UFOも、怪奇現象も、超能力も、すべて「神」からのメッセージだった!現代人の「神」の概念を根底から覆す長編書き下ろしエンタテインメント一三〇〇枚!

空飛ぶ戦車+七角形のボルト+UFO+ロボット型異星人・空から降ってくる魚介類+落下する巨大な氷塊・銀の十字架が落ちてくる+石ころの雨・走りまわるインドゾウ+野生の少女・フクロオオカミの出現+ビックフットの出没+肉食獣ムングワ・吸血怪物チュパカブラス+怪獣ネッシー・ボルトの雨+四人の異形の天使・空の戦闘+空の軍隊・血まみれの剣をもった白装束の軍人+怪蛇バジリスク・空飛ぶ帆船+幽霊飛行船・幽霊ロケット+エイリアン・コンタクト・エイリアン・アブダクション+MIB・修道僧のようなローブをまとった巨人+蛾人間・大きな耳と三本の牙が生えた怪人+頭に三つのコブを持つ男・トカゲ人間+狼少女・空から落ちてきた何百匹ものカエル+家の壁にしみだす油・家の中に降る雨+深夜に行進する幻の兵士・スプーン曲げ+透視・テレパシー+ポルタ―ガイスト・空から落ちてくる子供たち+コインの雨・空飛ぶオートバイ+空をわたる雄牛・血の涙を流すマリア+月に浮かぶ顔・幽霊タクシー+幽霊ジュークボックス・幽霊列車+光亀・ビックフット+翼長一メートルの青い蝶・幽霊人工衛星+人の顔をした雲・位置をかえる星々

と学会会長で知られる、山本弘が書いた小説です。オカルトを果敢に批判する著者が書いた小説が、「神は沈黙せず」ときたかい!

てな感じで、興味深く読ませていただきました。

感想。

「なげぇ〜よ」

、である。

薀蓄多すぎ。いや、薀蓄出すのもいいんだけどね、物語の流れを中断しない形で、自然に出してほしいわけだ。

なんていいますかね、著者の勉強の跡が見えすぎです。巻末の参考文献見ただけでも、この著者がたいそう勉強して書いたってのは分かりますがね、それを無理のない形で読ませるのが作家の腕の見せ所じゃないかと思うんですがね。

まぁ、着眼点は面白いですけどね。神がいたとしても、どうせ善悪を超越してるっつうか、たんなる興味本位で世界を作って覗き見しているだけのろくでもない奴だろうさ、って思ってますんでね。

つまり仮に神がいたとしても、その神ってのは人間が高度な電脳を使って仮想現実の場で発生させた知的生物の営みをsimulationして楽しんでいるみたいなものなんじゃないのか?、ってこと。

この世は神(programmer)を楽しませる為に作られた、仮想現実だった!、というお話。

所謂、超常現象ってやつも人間の科学的進歩の度合いに応じて、「発生頻度が増加する」って発想もなかなか面白いと思った。

たとえば、超能力と思われる現象を起す人間がいたとする。しかしそれは、神が自分のMessageを正しく解釈できるだけの知性を、人類が持ち始めたと認識したことによって、神が人類に接触を図っているというわけ。

空中から突然物が落下してくるのも、UFOが頻繁に現れるのも、総て神が自分の存在を誇示する為に起した現象だというわけです。

大槻教授なら呵呵大笑するだろうなw

まぁ、なかなか興味深いわけですが、すでに云ったように薀蓄が多すぎなんだな。

しかも、登場人物も特に魅力あるのが出てこないという。まぁ、著者としては自分の持っている知識から得た着想を、小説という形で書きたかったということなんだろう。

それが成功しているとは、オレには思えないけど。

特にやれやれと思うのは著者の歴史感ね。登場人物に語らせているとは云っても、これは著者山本弘の歴史感ということにはなるわな。

これはいろんな反応が起きる小説だろうなと思ったら、案の定「神沈掲示板」とでもいうべきものが存在していたw

まぁ、いろいろとこの先へ進むきっかけを与えてはくれるよね。巻末の参考文献を読んでみたい気にはなるし。

これは確かに、小説としての出来はよくないけど、何で世界は存在するんだ?、って探究心を刺激してくれる本ではあるんじゃないかと思う。

科学、経済、歴史、オカルト等等、範囲を広げすぎてすでに古くなっている知識を基にして書いているなんて批判も受けているのは、ご愛嬌ってやつか。結局、オレは著者が参考にした本も総ては読んでいないし、最新の科学的知見ってやつも持ち合わせてはいないために、本書を絶賛することもできなければ、こき下ろすことも出来ないってわけだ。

神はいるのかいないのか?

そんなもん結論はでないだろうけど、創造主がいたとしても「崇拝する必要はない」っていう本書の結論部分には同意だね。

おばちゃん!、朝日新聞はアサヒっちゃうからだめwwwwwww

Newtype 2011年5月16日 (月) 01時32分 書籍・雑誌:☆ | 固定リンク

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