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2013年07月

大川興業さんの、すっとこどっこいに出させていただきました。

やりたいことを形にするべく闘う人の姿がそこにはありました。

みんなから゙総裁゙と呼ばれているその人は、僕らの出番も見ていてくれて、帰りに優しく感想を述べてくれました。

昔、総裁のコラムをいつも楽しみに読んでいた僕は信じられないくらい嬉しかったけど、勇気が足りなくてコラムを読んでいたことを言えませんでした。

憧れる人に簡単に話しかけちゃいけない気がして、帰ったあと損した気分になるのは何年もやり続けている得意技ですが、今日ほど後悔した日はあまりありません。

次は頑張ってコラムを読んでいたことを伝えたいと思います。そして「なんで最初に会った時に言わなかったの?」と言われて少し気まずくなってしまうという、もう一つの得意技をかましたいと思います。


バイト先で知り合って4年以上経つ三澤君は、パスピエというバンドのギタリスト。

知り合った縁で何度か見に行ったライブは、見る度にクオリティーが上がり、最初50人程度だった観客が100人、400人と増えていき、遂に昨日約800人の観客の前で恵比寿リキッドルームというデカい箱でのツーマンライブを成功させた。

音楽の事はよくわからないが、新しい境地を切り開くサウンドと可愛い女の子ボーカルのそのバンドは、常に観客を熱狂させ、誰の目にも明らかな勢いでメジャーシーンへの道をひた走っている。

会場入り口には、若手コント番組バチバチエレキテる(パスピエの曲が流れる番組)からの花も届いており、本来なら自分の単独ライブでそういった光景を呼ばなきゃいけないのにと自責の念にもかられ、規模の違いすぎるライブのデカさには正直、嫉妬の気持ちも芽生えてくる。

恵比寿リキッドルームの前には開演1時間前から多くの人が待っていた。
その中の女子高生がこちらに近づいて来る。今回、売り切れてしまったチケットの余りが無いかを聞いてくるのだろうかと少し身構える。

「あのー、エル・カブキの上田さんですか?」
「はい。」(頭混乱する)
「ファンなんです。」
「いや、絶対嘘でしょ?パスピエ見に来たんでしょ?」(こんなポップで人気のあるバンドを見に来た女子高生が俺らのファンな訳ねーだろ!)
「いや、単独ライブも見に行きましたし、空飛ぶサンパチも見に行ってます。」
「あ、ありがとうございます。」(本当にファンじゃねーか!どうなってんだ。パスピエ好きでエル・カブキも好きな女子高生って世の中狂ってるだろ!大体、俺らの単独ライブでやった一発目のボケ、ジャイアント馬場と坂口征二のタッグチーム、それは東京スカイツリーじゃなくて東京タワーズだろ。だぞ! パスピエの可愛らしい歌声で体揺らしてる女子高生が、俺らのネタどういう感覚で見てんだよ!)

長い考えごとを終えてふと顔をあげると、女子高生は目の前から消えていた。

そのあと、いつもより嫉妬せずにパスピエのライブを見ることができた。彼らの勢いと僕の被害妄想は止まりそうにない。


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