はじめに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数は、中国から世界中に広がり、2020年3月14日現在、感染者145,637名、死者5,436名と大変な数に上っています。しかし、日本の状況をみると、感染者数は734名と、韓国の8086名の9.1%、イタリアの17,660名の4.2%に留まっています。 この明らかな差の理由として指摘されているのが、日本はPCR検査数を絞っているのではないか?という説です。そのため、実際にどれくらい絞っているのか?絞ることの意義は何か?他国は検査しすぎて医療崩壊しているではないか?、など議論を巻き起こしています。 しかし、あまり定量的な議論がなされていないために、テレビやネット等を通じたアバウトな感情論が展開され、正しい理解の妨げになっているように思われます。そこで、本記事では、ベイズの定理に基づいて、PCR検査を絞る意義に焦点を当てて検討してみ