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統計研修受講記(令和3年度 No.1)
令和3年度 「統計利用の基本」を受講して
文部科学省 科学技術・学術政策研究所第2調査研究グループ 浅見 陽子
私が所属している文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、日本の科学技術や学術振興、科学技術・イノベーション創出に関わる政策のための国立試験研究機関です。政策立案のエビデンス作成を担っていますので、各調査研究部門では各研究官が様々な手法を用いて調査研究データを集め、それを利用した政策立案に資する資料を作成しています。私は研究官の事務補佐をしており、統計資料の扱い方を学ぶことで更に業務に役立てるようになりたいという気持ちから本研修に参加しました。
5月から6月にかけて「統計担当者向け入門(5月)」、「統計利用の基本」、「調査設計の基本」、「統計分析の基本」と計4回の講座を受講しましたが、コロナ禍ということもあってオンライン受講となりました。そのため業務と併行しながらの受講が可能となったことで、かえって時間をやりくりして有効に活用できたように思います。講義と業務を同時進行させていた場合など理解度が低かった部分もあったのですが、各講座で見逃し配信も御用意いただいたことから繰り返し視聴して復習できたこともあり、充実した2か月となりました。
オンライン授業についてですが、やはりデジタル・トランスフォーメーションを推進している総務省であることから、統計研究研修所による細やかで分かりやすい対応がありました。受講の3日前には各受講者に配信視聴用 URL が届き、受講後には見逃し配信 URLが送信されました。チャットボックスによる双方向での質疑応答が可能でしたので、例えば講師がエクセルで統計資料を高速で作成する途中でも「表作成中に F4ファンクションキーを多用しているようですが、どうしてなのか理由を教えてください」や「これは間隔尺度で良かったのでしょうか」などと各受講者から活発な質問があり、ライブ授業ならではの緊張感がありました。
各講座ともおおよそ4名の講師で担当されており、「国の統計」と「地方の統計」、あるいは「公的機関」と「民間機関」とで対比されるような講師陣でした。参照する統計データも「国の統計窓口である『e-Stat』」、「地方経済分析システム『RESAS』」などと統計を多角的に学べるものになっていました。統計利用の業務がより理解できるようになったことで、今回の経験を今後に生かしていきたいです。
最後になりますが、専門家による統計データの利用についての授業は大変密度の濃いものでした。熱心で分かりやすい講義をいただいた講師の先生方、研修環境に御配慮くださった統計局関係各位に感謝申し上げます。ありがとうございました。
(統計調査ニュース 令和3年11月号より)