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統計研修受講記(平成26年度 No.1)
統計基礎課程「統計基礎2」(6月)を受講して
新潟県監査委員局 金子 秀光
私は、監査委員事務局に所属しています。監査委員の下、県の財務や事務・事業等の執行の適否をチェックし、その結果を公表することによって、県民や議会等が正しい判断をする基となる情報を提供しています。
監査の中心は、従来より、財務に関する事務執行の合規性、正確性のチェックです。しかし、近年は、財政状況が厳しい中、広く一般行政事務も対象に、経済性、効率性、有効性を監査することが求められてきており、当県では、定期監査とは別に、毎年テーマを決めて、行政事務の経済性、効率性、有効性の観点を中心にした行政監査を行っています。私は、この行政監査の担当ですが、県民や議会等が正しい判断をする基となる有益な情報を提供することの難しさを感じていたところでした。そのような時、統計研修の案内があり、統計に関する理解、知識があれば、経済性、効率性、有効性の監査に役立てることができるのではないかと思いました。また、統計を用いて、リスクの高い箇所を中心に監査することができれば、監査の実効性をより高めることができると思いました。
さて、研修の内容は、統計の理論に加え、実際に職場で活用可能なエクセルや、R(統計解析ソフト)、GIS(地理情報システム)のフリーソフトを使って、統計分析の一通りの流れを学べる実践的なもので、私が期待していたとおりでした。
「記述統計基礎」、「推測統計概論」では、データ尺度の意義、基本統計量の見方から統計的仮説検定に至るまで、理論とともにRを使って、グラフの描画やデータ探索などの処理方法を学びました。
「多変量解析演習」のグループ演習では、多様なサンプルデータの中から調査テーマを決め、魚の骨(特性要因図)を用いて仮説を立て、エクセルで直線回帰分析を行い、モデルの検証を行いました。
「GIS基礎演習」では、オープンデータを利用した地図作成演習のほか、野生動物の生態に関する調査を例にした講義では、汗を流して独自のデータを集めるプロセスが印象的でした。
今回は、研修所の寮に宿泊しながら、数日にわたり大変有意義な講義を受けることができました。熱心に御教授くださった先生方、研修環境に御配慮くださった事務局の方々にこの場をお借りして心より厚く御礼申し上げます。
今後は、この研修をきっかけに、更に知識や経験を積み、業務にいかしていきたいと思います。
(統計調査ニュース 平成26年10月号より)