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統計研修受講記(平成20年度 No.2)
特別講座「中堅職員課程」を受講して
北海道企画振興部地域行政局 小原 由佳
私が受講しました「中堅職員課程」では、講座名から、数学的なものを多く含む講義ばかりと想像していましたが、実際は入門的な部分も多く、統計に関する広義な内容でした。実際、数年統計業務に携わっており"中堅"の立場でしたので、入門的なものもより深く理解できました。
「主要統計指標の見方・使い方」の講義では、見方と併せて様々な最近の統計データを知ることができましたし、統計を組み合わせて傾向を探るという手法には、見えなかったものが見えるという統計の面白さを改めて感じました。また、見方を誤ると正確な分析とならない事例には、統計数字の裏にある背景などの状況判断が分析には重要であると実感しました。
「地域経済と統計」の講義では,地域行政と統計に関する例題が挙げられ、どのセクションでも統計が大きな役割を果たしていることを再認識しました。これは、自分が携わった統計が、大いに役立てられているということであり、より意欲的になれるきっかけとなりました。
「行政評価と統計」の講義では、分析や政策評価は、統計調査の"実施"が主な業務である私にとって、あまり必要のない分野と思っていたものでしたが、講義を受講し、統計が「政策評価」のツールとして欠かせないものであることから、調査した統計が広く使えるよう、ある程度分析して結果を提供する必要があるのではないかと感じました。また、コスト削減だけが政策評価とならない、と講師がおっしゃっていたことには感銘を受けました。
「景気動向と経済統計」の講義では、世界的な金融危機が世間を騒がせ、経済指標となる統計表が毎日目に飛び込んでくる状況の中、受講した経済指標の見方は、大変分かりやすく、経済に係る統計がより身近なものとして感じられるようになりました。
「人口問題と人口統計」の講義では、どの自治体も大きな課題としている少子高齢化について、人口の推移や出生率といったおなじみの統計から、非婚による出生率などの報道等であまり取り上げられない統計を用いて説明され、様々な切り口での対策が必要であることを実感しました。
また、席が隣だった女性が保健衛生に携わる方で、普段から少子化対策に取り組んでいたこともあって話が弾み、講義外でも、子を持つ同じ立場として子育ての問題などを議論したりして、研修期間を楽しく過ごすことができました。今回の研修では、一見難しそうな例題についても大学の教授や講師を務める方が分かりやすく説明され、どれも引き込まれる講義でしたし、統計が広く様々な使われ方をしているということを改めて認識し、視野が広がって、目の前の書類を片付けるだけの実務に多方面から物事を見る、捉えるといった考え方で取り組めるようになった良い機会になりました。研修で得た新しい知識を活かしたいという気にもなり、自己啓発、意識改革という意味でも、大変有意義でした。
最後になりましたが、受講に際し、事務局の方々には大変お世話になり、ありがとうございました。また是非参加したいと思います。
(統計調査ニュース 平成21年1月号より)