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統計研修受講記(令和2年度 No.1)

令和2年度 「本科(総合課程)」を受講して

総務省統計局統計調査部国勢統計課 堀川 泰輝

私は入省してからこれまで、CPI(消費者物価指数)や労働力調査の結果公表を担う審査・発表業務を担当してきました。担当業務を通じて、実務的な知識を身につけていくことはできるものの、他の統計調査にも通じる統計学の知識や、調査の企画・設計に関する知識についてはまだまだ理解が浅いと感じていたことから、今回、本科(総合課程)の受講を希望しました。
本科研修の講義には、記述統計、推測統計といった統計学の入門的な内容に加えて、調査の企画・設計事務の進め方や、調査の標本設計、統計調査を行うための根拠法である統計法などといった統計調査の実施担当者として身につけておくべき内容、各種統計数値を見る際のポイント、多変量解析や統計解析ソフトの解説などのデータ分析に必要な基礎的な内容が幅広く盛り込まれており、大変勉強になりました。
また、本科研修には、このような座学形式の研修のほかにも「個人研究」、「グループ演習」といったカリキュラムが組まれています。
個人研究では、各自でテーマ(課題)を設定し、課題解決に向けてデータの収集、分析を行いレポートとしてまとめます。レポートの作成を通じて、統計調査にはそれぞれ調査時期や調査対象、用語の定義の違いが存在するため、それらを正しく理解し、根拠として適切な統計であるかを吟味する必要があることを学びました。また、回帰分析や主成分分析などの統計的な分析手法は、今日では、インターネットで調べて実行すること自体は容易にできるものの、扱い方や結果の解釈の仕方によっては誤った結論に行き着いてしまうこと、結果数値は見せ方によって解釈が大きく変わってしまうことがあるため、グラフ一つにしてもその描き方には細心の注意が必要であることなどを実感しました。どれも言われてみれば当たり前のことのように思えますが、自ら手を動かすことで改めてその重要性を認識できたと感じています。
グループ演習では、調査事項、対象や時期、標本設計などを一から考え、調査票や公表資料の作成といった調査の企画・設計、公表の一連のプロセスを実際に行います。今、社会に求められている統計とは何かを考え、調査負担や予算を加味しつつ、多くの人に使ってもらえるような価値ある統計調査を企画・設計することの難しさを実感しました。また、研修には各省庁、都道府県庁の職員や警察官の方などが参加されていました。それぞれが持つ経験や価値観は様々である中で議論を尽くすことができたのは、大変貴重な機会であったと感じて います。
最後に、本研修で講義・指導いただいた先生方、お世話になりました統計研究研修所の皆様、また、研修に参加する機会を与えていただいた皆様に、心より御礼申し上げます。

(統計調査ニュース 令和3年5月号より)

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