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統計Today No.111

平成27年国勢調査
−抽出速報集計結果からみる高齢化社会−

総務省統計局統計調査部 国勢統計課調査官 伊達 隆之


平成27年10月1日を期日として実施した国勢調査について、平成28年2月26日に公表した「人口速報集計結果」に続き、6月29日に「抽出速報集計結果」を公表しました。
調査の実施に当たり、皆様から御回答いただきましたことに、御礼申し上げます。
この集計は、国勢調査の全ての調査事項に関する主要な結果を早期に提供するため、全世帯の約100分の1を抽出して集計を行ったものです。
この結果から、我が国の人口と世帯の全体像を把握することができます。今回は、大正9年の調査開始以来、初めて総人口の4人に1人を超えた「65歳以上人口」に着目して、主な結果を御紹介します。


65歳以上人口が初めて4人に1人を超える

我が国の人口は、1億2711万人(平成27年10月1日現在)で、平成22年から94万7千人の減少となり、大正9年の調査開始以来、初めて減少しました。
総人口を年齢3区分別にみると、15歳未満人口は1586万4千人、15〜64歳人口は7591万8千人、65歳以上人口は3342万2千人となっており、65歳以上人口は、調査開始以来一貫して増加を続けています。
また、総人口に占める割合は、15歳未満人口は12.7%、15〜64歳人口は60.6%、65歳以上人口は26.7%となっており、65歳以上人口が初めて総人口の4人に1人を超えました。なお、15歳未満人口の割合は調査開始以来最低となり、少子高齢化が進んでいることが分かります。(図1、表1)

図1 年齢(3区分)別人口の割合の推移−全国(大正9年〜平成27年)

平成27年国勢調査結果における総人口に占める年齢3区分別の割合は、15歳未満人口は12.7%、15〜64歳人口は60.6%、65歳以上人口の26.7%となっており、65歳以上人口が初めて総人口の4人に1人を超えた。


表1 年齢(3区分)別人口の推移−全国(大正9年〜平成27年)

総人口を年齢3区分別にみると、15歳未満人口は1586万4千人、15〜64歳人口は7591万8千人、65歳以上人口は3342万2千人となっており、65歳以上人口は、調査開始以来一貫して増加を続けている。


全都道府県で65歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を初めて上回る

総人口に占める65歳以上人口の割合を都道府県別にみると、秋田県が33.5%と最も高く、沖縄県が19.7%と最も低くなっています。
平成22年と比べると、全都道府県で65歳以上人口の割合が上昇しており、25%を超える都道府県は23県から41道府県に増加し、各都道府県で高齢化が進んでいることが分かります。
また、沖縄県の65歳以上人口の割合が、15歳未満人口の割合(17.2%)を上回ったことで、全都道府県で65歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を初めて上回りました。(図2)

図2 65歳以上人口の割合−都道府県(平成22年、27年)

総人口に占める65歳以上人口の割合を都道府県別にみると、秋田県が33.5%と最も高く、沖縄県が19.7%と最も低くなっている。平成22年と比べると、全都道府県で65歳以上人口の割合が上昇しており、25%を超える都道府県は23県から41道府県に増加している。


65歳以上人口の割合は世界で最も高い水準

我が国の総人口に占める65歳以上人口の割合は26.7%で、諸外国と比べると、イタリア(22.4%)よりも4.3ポイント高く、世界で最も高い水準となっています。
65歳以上人口の割合は、平成17年(2005年)以降、世界で最も高い水準となっています。(図3)

図3 65歳以上人口の割合の推移−諸外国との比較(1950年〜2015年)

我が国の総人口に占める65歳以上人口の割合は26.7%で、諸外国と比べると、イタリア(22.4%)よりも4.3ポイント高く、世界で最も高い水準となっている。


65歳以上男性の8人に1人、65歳以上女性の5人に1人が一人暮らし

65歳以上人口のうち、単独世帯(一人暮らし)の人口は平成22年の479万1千人から562万6千人(65歳以上人口に占める割合は16.4%から16.8%)まで増加し、高齢者の一人暮らしが増えていることが分かります。
男女別にみると、男性が179万7千人、女性が383万人で、女性が男性の2倍以上となっています。また、65歳以上人口に占める割合は、男性が12.5%、女性が20.1%となっており、65歳以上の男性の8人に1人、65歳以上の女性の5人に1人が一人暮らしとなっています。
また、老人ホーム等に居住する「社会施設の入所者」は168万5千人となり、平成22年(120万1千人)と比べると約1.4倍となっています。(表2)


表2 世帯の種類、男女別65歳以上人口の推移−全国(平成12年〜27年)

65歳以上人口のうち、単独世帯(一人暮らし)の人口は平成22年の479万1千人から562万6千人(65歳以上人口に占める割合は16.4%から16.8%)となっている。男女別にみると、男性が179万7千人、女性が383万人で、女性が男性の2倍以上となっている。


65歳以上の一人暮らしの割合は東京都が最も高い

65歳以上人口のうち、単独世帯(一人暮らし)の割合を都道府県別にみると、東京都が23.2%と最も高く、山形県が9.7%と最も低くなっています。
総人口に占める65歳以上人口の割合は全国で2番目に低い東京都ですが、65歳以上の一人暮らしの割合は最も高くなっています。
また、平成22年と比べると、37道府県で65歳以上の一人暮らしの割合が上昇しています。(図2、図4)


図4 65歳以上人口のうち単独世帯の割合−都道府県(平成22年、27年)

65歳以上人口のうち、単独世帯(一人暮らし)の割合を都道府県別にみると、東京都が23.2%と最も高く、山形県が9.7%と最も低くなっている。また、平成22年と比べると、37道府県で65歳以上の一人暮らしの割合が上昇している。

今回の国勢調査の結果については、10月に全ての調査票を集計した「人口等基本集計結果」(確定人口)を公表する予定です。その後も、人口移動、就業状態、世帯構造、従業地・通学地等に関する集計結果を順次公表してまいります。
平成27年国勢調査の集計体系、公表予定、公表結果については、こちらから御覧になれます。(http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/kekka.htm)

(注記) この集計は、平成27年国勢調査結果の早期利用を図るために、一定の方法により全世帯の約100分の1の調査票を抽出し、主要な事項について集計したものです。後日公表する全世帯の調査票を基に集計した結果数値とは、必ずしも一致しませんので、御留意ください。


(平成28年7月20日)


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