[フレーム]

五輪のことば

「五輪選手になるのが夢」。ほとんどの子が口では言うが、そのための練習を続けることはできない。パリ五輪の金メダリストを幼少期に育てた指導者がそう語っていただいやまーく「つらい時やうまくいかない時もやるしかない。継続すること。これに尽きる」。柔道の永瀬貴規選手は東京五輪後の不振に苦しみながら連覇を果たした。夢を追い続けること、ましてや勝つことはかくもむずかしいだいやまーく「情けない姿を見せてしまい申し訳ありませんでした」。連覇の夢を絶たれ号泣した柔道の阿部詩選手は、SNSでの容赦ない非難に謝罪した。敗者の涙にも痛みにも心寄せようとしない時代に暗然とするだいやまーく「選手優先」とほど遠かったのは大会運営も同じだろう。水質の悪いセーヌ川で泳がされるのは気の毒。それでもトライアスロンの小田倉真選手は「普段から汚いところで泳いでいる。臭いなども全く気にならなかった」だいやまーく二つの戦時下に開かれた平和の祭典。フェンシング団体金のウクライナ選手は「命をささげて最前線で戦う仲間がいる。私たちも立ち止まることはできなかった」。大会組織委会長の開会式の言葉も忘れがたい。「たとえ差別や紛争がなくならなくても、今夜、あなたたち選手は、われわれが一つになったときの美しさを思い出させてくれた」。人類の夢をともした聖火はあす消える。(桑)

下記のボタンを押すと、AIが読み上げる有明抄を聞くことができます。

イチオシ記事
動画
気象・交通・ライフライン情報リンク集 気象・警報・災害情報 ウェブ号外

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /