(2025年3月7日 05:00)
米中経済の先行き不透明感に警戒したい。トランプ米政権の関税強化が米国のインフレ懸念を増長し、中国は内需不振を誘発している不動産不況への抜本的な対策に踏み込まない。米中間の報復関税のかけ合いも両国経済を減速させ、日本をはじめ世界経済に及ぼす影響が懸念される。需給ギャップがプラスに転じ始めた日本は、外需依存から内需主導へと成長の軸足を移し、不確実性が高まる世界経済への耐性を高める必要がある。
トランプ米大統領は4日の施政方針演説で、「米国第一」に向けた関税強化策を自賛。メキシコとカナダ、中国に続き、4月2日には広範な国・地域に及ぶ相互関税を実施すると表明した。3月12日には鉄鋼・アルミニウムへの25%関税も控える。関税強化は、米国経済も減速させる不毛な施策であることをトランプ氏は気付いていない。
高関税を課された輸入品が米国内で流通すればインフレが進み、高関税品の輸入が減ったとしても、米国の輸出に不利なドル高に傾きやすい。米国では景況感が悪化しつつあり、米連邦準備制度理事会(FRB)が4月30日からの会合で、景気下支えやドル安につながる利下げに動くとの市場観測もある。FRBはインフレに細心の注意を払い適切な決断を下してほしい。
日本にとって米国に次ぐ輸出相手国である中国の先行きも心配だ。5日開幕した全国人民代表大会(全人代)で、2025年の実質成長率目標を「5%前後」とした。だが米国から20%の追加関税を課されるなど、輸出には期待できない。内需拡大を目指すものの、家電や自動車の買い替え支援は効果が一時的で、地方政府による在庫住宅の買い取りも抜本的な不動産対策と言い難い。AI(人工知能)や電気自動車(EV)などの民間企業支援により、「国進民退」が是正されるかも注視が必要だ。
内閣府によると、日本の24年10―12月の需給ギャップはプラス0・3%と、1年半ぶりにプラスに転じた。トランプ政権に関税強化の適用除外を求めつつ、賃上げと国内投資により内需主導の成長型経済を目指したい。
(2025年3月7日 05:00)
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