『日銀当座預金増減要因と金融調節』の公表方式の変更等に関するお知らせ
2006年5月24日
日本銀行金融市場局
日本銀行は、金融市場局が日々公表している『日銀当座預金増減要因と金融調節』等の統計の形式を一部変更するとともに、ベンダー各社を通じて即日スタートのオペの定例時刻(午前9時20分頃)に公表している情報を拡充することとしました。
詳細は以下のとおりです。
1.『日銀当座預金増減要因と金融調節』等の統計の形式の一部変更
(1)『日銀当座預金増減要因と金融調節』(毎営業日分)
2003年4月に発足した日本郵政公社は、準備預金制度の適用先に指定されていませんが、日本銀行との契約に基づき、準備預金制度と概ね同様のスキームで日本銀行に当座預金を保有することになっています。この取扱いを踏まえ、これまで、本統計においては、日本郵政公社の預け金について、準備預金制度の適用先の準備預金と同様に扱うこととし、「当座預金増減」、「当座預金残高」、「準備預金残高」、「積み終了先」、「超過準備」、「積み未了先」、「積み期間の所要準備額」(積数)、「積み期間の所要準備額」(1日平均)、「残り要積立額」(積数)および「残り要積立額」(1日平均)の項目にそれぞれ含める扱いとしてきました。
しかし、当座預金残高の水準が低下していく中で、準備預金制度が適用されていない先が多額の当座預金を保有する場合には、全体の当座預金残高だけをみても、一定の当座預金を保有しなければならない準備預金制度の適用先の資金過不足の程度を把握することが難しくなることが予想されます。そこで、2006年6月積み期(6月16日〜7月15日)より、市場参加者が市場における実質的な資金過不足の程度を把握しやすくする観点から、資金の振れが相対的に小さいことが予想される準備預金残高(準備預金制度の適用先のみの計数)を本統計で明示することとします。この結果、日本郵政公社の預け金については、上記のうち、「当座預金増減」および「当座預金残高」には引続き含める扱いとしますが、「準備預金残高」等その他の上記の項目については除外して作成します。また、「非準預先残高」という項目の名称を「その他残高」に変更し、日本郵政公社の預け金を「その他残高」に含めることとします。変更後の本統計の形式は、別紙1のとおりです。なお、2006年6月15日分以前の統計については、遡及して変更することはしません。
(2)『日銀当座預金増減要因と金融調節』(月次実績速報、同実績および時系列データ)
本統計については、日次の(1)の統計を変更することに伴い、2006年6月実績速報および同実績分より変更することとします。すなわち、日本郵政公社の預け金については、本統計上の「当座預金」には引続き含める扱いとしますが、参考計数である「準備預金」については、(1)の統計で日本郵政公社の預け金を「準備預金残高」から除外することと平仄を合わせる観点から、準備預金制度の適用先の計数とし、日本郵政公社の預け金を除外して作成します。ただし、参考計数として、「準備預金等」という項目を新設し、これに日本郵政公社の預け金を含めることとします(したがって、この項目がこれまでの「準備預金」と同じになります)。変更後の当該統計の形式は、別紙2(月次実績速報)および別紙3(同実績)のとおりです。
時系列統計についても、2006年6月実績分掲載時点より、「準備預金」として掲載していた計数を「準備預金等」として掲載し、「準備預金」という項目を、日本郵政公社の預け金を除く計数として新たに掲載することとします。なお、新設する「準備預金」については、2005年6月実績以降分についてのみ遡及して掲載します。
(3)『準備預金積立て状況等』
これまで、本統計においても、日本郵政公社の預け金について、「準備預金制度の適用先」の準備預金と同様に扱うこととし、「準備預金残高 A」、「所要準備 B」、「準備預金残高 C」および「所要準備 D」の項目にそれぞれ加える扱いとしてきました。
2006年6月積み期分掲載時点以降については、上記(1)(2)の統計を変更することと平仄を合わせる観点から、上記項目の名称に「等」を加え、それぞれ「準備預金制度の適用先等」、「準備預金等残高 A」、「所要準備等 B」、「準備預金等残高 C」および「所要準備等 D」と変更する一方、日本郵政公社の預け金が含まれているこれまでの計数自体は変更しないこととします。また、「非適用先の日銀当座預金残高」という項目名は、「その他の日銀当座預金残高」という名称に変更することとします。併せて、日本郵政公社の預け金を「準備預金制度の適用先等」から除外した場合の計数を、各々の項目の計数の下に括弧で表示することとします。変更後の当該統計の形式は、別紙4のとおりです。
2.即日スタートのオペの定例時刻における公表内容の拡充
日本銀行は、当日の当座預金残高の増減予想額を、前営業日の夕刻(月末営業日以外は午後6時頃)に『日銀当座預金増減要因と金融調節』の予想において100億円単位で示しているほか、当日朝の即日スタートのオペオファーの定例時刻(午前9時20分頃)にもベンダー各社を通じて公表しています。しかし、前述のように、全体の当座預金残高の水準が低下していく中では、全体の当座預金残高の予想だけをみても、一定の当座預金を保有しなければならない準備預金制度の適用先の資金過不足の程度を把握することが難しくなると考えられます。このため、市場参加者が市場における実質的な資金過不足の程度を把握しやすくする観点から、2006年6月16日より、ベンダー各社を通じて即日スタートのオペオファーの定例時刻に、当日の当座預金残高の増減予想額だけでなく、当日の準備預金残高の予想の概数についても、併せて公表することとします。
以上
本件に関する照会先
日本銀行金融市場局金融市場調節担当
熊谷(03-3277-1284)