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金融政策の概要

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日本銀行はわが国の中央銀行として、物価の安定のために、金融政策の決定と実行に当たっています。

ここでいう物価とは、モノやサービスの価格を全体としてとらえたものです。

物価が安定していて、お金を安心して使うことができるということは、あらゆる経済活動や国民経済の基盤です。

金融政策とは、公開市場操作(オペレーション)などの手段を用いて、金融市場における金利の形成に影響を及ぼし、通貨および金融の調節を行うことです。

金融政策運営の基本方針は、日本銀行政策委員会の「金融政策決定会合」とよばれる会合で決定します。会合では、金融経済情勢に関する検討を行うとともに、金融市場調節方針や当面の金融政策の運営方針を決定し、決定した内容は直ちに公表しています。ここで決定された金融市場調節方針に従って、日本銀行では日々の金融調節の金額や方法を決定し、資金の供給や吸収を行っています。

物価の安定と2%の「物価安定の目標」

日本銀行法(外部サイトへのリンク)では、日本銀行の金融政策の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。

物価の安定が大切なのは、それがあらゆる経済活動や国民経済の基盤となるからです。
市場経済においては、個人や企業はモノやサービスの価格を手がかりにして、消費や投資を行うかどうかを決めています。物価が大きく変動すると、個々の価格をシグナルとして個人や企業が判断を行うことが難しくなり、効率的な資源配分が行われなくなります。また、物価の変動は所得配分にゆがみをもたらします。

こうした点を踏まえ、日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。

より詳細な内容は「金融政策運営の枠組みのもとでの『物価安定の目標』について」 [PDF 133KB](2013年1月22日公表)をご覧ください。また、日本銀行は、2013年1月に、「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」 [PDF 128KB]を、政府と共同して公表しました。

金融政策と金融調節

日本銀行の金融政策の基本的な方針は、政策委員会の金融政策決定会合で決定されます。金融政策決定会合では、金融経済情勢の検討を行いその下で適切な金融市場調節方針等を決定しています。毎回の金融政策決定会合終了後に公表する公表文では、金融市場調節方針に加え、経済・物価情勢に関する判断や当面の金融政策運営に関する考え方等を公表しています。

金融政策決定会合で金融市場調節方針等が決まると、その方針を実現するために、日本銀行は日々、公開市場操作(オペレーション)などを用いて資金の供給や吸収を行っています。これが金融調節です。

例えば、金融機関が日本銀行に差し入れている担保を裏付けとして、日本銀行が金融機関に対する貸付を行うと、資金を供給することになります(資金供給のためのオペレーション)。逆に、例えば、日本銀行が手形を発行して金融機関に売れば、資金を吸収することになります(資金吸収のためのオペレーション)。

日本銀行の現在の金融市場調節方針は、金融市場調節方針に関する公表文のページをご覧ください。

金融政策決定会合

金融政策決定会合では、年に8回、2日間かけて集中的に審議を行い、金融政策の方針を決定しています。議決は9名の政策委員(総裁、2名の副総裁、6名の審議委員)による多数決によって行います。

日本銀行では、金融経済情勢についての詳細な調査・分析に加え、金融政策手段や運営方法に関する研究や金融制度の調査など、金融政策にかかるさまざまな調査・分析、企画・検討を行い、金融政策決定に活かしています。

金融政策の独立性と説明責任

過去の各国の歴史を見ても、中央銀行の金融政策にはインフレ的な経済運営を求める圧力がかかりやすいことが示されています。このため、金融政策運営を、政府から独立した中央銀行という組識の中立的・専門的な判断に任せることが適当であるとの考えが、世界的な流れになっています。

日本銀行法(外部サイトへのリンク)でも、「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」と規定されています。ただし、金融政策と政府の経済政策の基本方針との整合性は重要であるので、日本銀行は政府と十分な意思疎通を図らなければならないことも規定されています。

また、金融政策は国民生活に大きな影響を与えうるものであるため、日本銀行は金融政策に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならないとされています。具体的には、金融政策決定会合の決定内容(金融市場調節方針やその時々の金融経済情勢についての判断など)を速やかに公表するとともに、議長である総裁が記者会見を行い、決定内容の詳細などを説明しています。また、主な意見、議事要旨、10年経過後には議事録を公表し、決定に至る議論の経緯を明らかにします。また、半年ごとに「通貨及び金融調節に関する報告書」を国会に提出し説明を行うほか、国会からの求めに応じて、総裁をはじめとする役職員が両議院の委員会に出席し、日本銀行の政策や業務運営に関する質疑に対して答弁を行ったりしています。

金融政策運営についての日本銀行の基本的な考え方やその前提となる経済・物価情勢に関する判断を、わかりやすく適切に説明することは、国民の皆さんへの説明責任という点からとても重要です。また、金融政策は金融市場を通じて行われるため、日本銀行の考え方を市場の参加者に理解してもらうことで、金融政策がより有効に浸透することが期待されます。

参考資料

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