連鎖方式による国内企業物価指数
2004年11月30日
須藤 直
日本銀行から
日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するものです。ただし、レポートで示された意見や解釈に当たる部分は、執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
内容に関するご質問は、日本銀行調査統計局 齋藤克仁までお寄せ下さい。
以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (rev04j07.pdf 52KB) から入手できます。
要旨
企業物価指数や消費者物価指数などの代表的な物価指数では、基準時点でのウエイトを固定して、さまざまな商品やサービスの価格を加重平均して指数化するのが一般的である。ところが、近年のように経済構造の変化が速くなってくると、「こうした固定ウエイトの物価指数では、基準年からの時間の経過につれて、実態との乖離が拡大する」との批判が高まっている。このため、日本銀行でも2002年より、基準年以降の経済構造の変化を、ウエイトや集計される価格水準の調整を通じて物価指数に反映することのできる「連鎖方式による国内企業物価指数」の公表を開始した。本稿では、「連鎖指数」の考え方を簡単に紹介するとともに、固定ウエイトと連鎖方式による国内企業物価指数の乖離に着目することで、連鎖指数の特徴や、それを用いることのメリット、あるいはその限界について解説する。