企業向けサービス価格指数の基準改定
(1995年<平成7年>基準への移行)
1999年12月 7日
日本銀行調査統計局
日本銀行から
企業向けサービス価格指数(CSPI:Corporate Service Price Index)は、企業間取引のうち、第3次産業が提供するサービスの価格動向を表わすもので、1991年1月より公表を開始(データ始期は1985年1月)。企業間取引のうち物的商品(モノ)の価格動向を表わす卸売物価指数と対をなすもの。詳細は本ホームぺージにある「企業向けサービス価格指数の解説」を参照。
以下には、I 改定の趣旨、基本方針、II 今次改定のポイントおよび目次を掲載しております。全文は、こちら (ntcspi01.pdf 169KB)から入手できます。 (別紙2)、(別紙3) はExcelファイルでもご利用頂けます。
I 改定の趣旨、基本方針
前回基準改定以降のわが国の経済構造の変化等に対応するため、本指数の基準時およびウエイト算定年次を1995年に改めるとともに、指数精度向上の観点から、分類編成、採用品目等の見直しを図る。
—— 基準改定は、5年に1度実施。企業向けサービス価格指数の基準改定は、1994年(1985年基準→1990年基準)に続き、今回が2回目。
指数体系、ウエイト算定に使用する基礎資料(原則として産業連関表の中間取引額)は、ともに現行を踏襲する。
一方、分類編成の見直し、品目の改廃にあたっては、ここ数年急速に進展している規制緩和や技術進歩等による、新サービスの登場や既存サービスの多様化等への対応に重点を置く。また、更なる内訳分類の充実に努める。同一若しくは類似サービスの価格変動の分散が大きくなるなかで、指数精度の一層の向上を図るため、調査価格についても見直しを行う。
II 今次改定のポイント
(1)採用品目の拡充
- (a)規制緩和や技術革新等に伴い、新サービスの登場や既存サービスの多様化が急速に進んでいる「通信」分野の採用品目の拡充および一部廃止。
― 「ISDN」、「PHS」、「アクセスチャージ」を新たに採用。「国際テレックス」は、取引額の縮小に伴い廃止。 - (b)「諸サービス」分野の採用品目の充実。
― 専門サービスとして「行政書士サービス」、「社会保険労務士サービス」、「弁護士サービス」等、9品目を採用(うち5品目は既存の2品目を分割したもの)。その他諸サービスとして、「リネンサプライ」も採用。 - (c)「金融サービス」分野の採用品目の充実。
― 消費者物価指数をインフレーター(注)として利用し、「証券引受」、「信託報酬」を採用。「証券関連手数料」も採用。
- (注)「証券引受」等の品目は、料率方式で値決めされているケースが殆どであるが、料率は、「○しろまる万円の△しろさんかく%」といった「比率」の概念であり、これ自体を「価格」とみなすことはできない(料率の基準となる価格<○しろまる万円>が変化すると、支払金額も変動する)ため、企業向けサービス価格指数では、これに適当な価格指数を乗じて「金額」ベースに変換したものを調査価格として採用。その際に用いる価格指数を「インフレーター」と呼んでいる。
(2)調査価格の見直し
- (a)通信における割引料金制度の浸透に対応するため、「国内電話」、「携帯電話」等の調査価格に各種の割引を取り入れ。
- (b)代表的サービスの特定が困難なものについて、品質一定の条件が担保できる範囲内で平均価格の採用を拡充。
― 「証券関連手数料」、「自動車修理」、「テレビCM」、「労働者派遣サービス」等。 - (c)「火災保険」、「設計監理」におけるインフレーターを、建設工事費デフレーターからより適切と思われる建築費指数へ変更。
(3)その他の見直し
- (a)「不定期航路」、「外洋タンカー」等の中で、契約通貨が外貨建てのサービス価格(契約通貨ベース指数)を円建て価格(円ベース指数)に換算する際の為替相場の動きの反映方法を変更。
― 従来は、「各々の品目について、価格調査期間中に契約が無かった場合、契約通貨ベースだけでなく、為替相場も(従って円換算価格も)前回調査比横這いで処理」。今後は、「契約の有無にかかわらず、一律に調査期間中の為替相場の動きを反映(従って契約が無かった場合、契約通貨ベースの指数が横這いとなる一方、円ベース指数は為替相場の動きを反映するかたちで変動)」。
― 卸売物価指数、製造業部門別投入・産出物価指数についても、2000年1月分指数(ともに来年2月公表(注))より、同様の変更を行う予定。
- (注)卸売物価・旬間指数は、11月9日に発表した公表方法の変更とあわせて2月上旬分指数から実施。
- (b)「その他の対事業所サービス」、「対個人サービス」のうちCSPI非採用部分のインピュート(注)先を、従来の「諸サービス」+「リース・レンタル」から「諸サービス」のみに変更。
- (注)品目として非採用となったサービス(品目)の価格を、他の採用品目の価格で代用することで指数に取り入れること。実務上は、非採用品目のウエイトを、サービスの属性、価格動向が比較的近いと思われる採用品目に按分付加している。
- (c)指数精度向上のため、目下、遡及訂正の実施に向けて準備中。詳細が固まり次第、実施時期、頻度等を予め公表する予定。
― 卸売物価指数、製造業部門別投入・産出物価指数についても、同様の対応を図る方針。
目次
- I 改定の趣旨、基本方針
- II 今次改定のポイント
- III 改定の具体的内容
- 1.分類編成、品目の変化
- 2.ウエイトの変化
- IV 新・旧指数の比較
- 1.総平均・大類別
- 2.主な品目
- 3.1990年基準CSPIの1995年平均指数についてのパーシェチェック結果
- (別紙1)分類編成および品目・ウエイト一覧表
- (別紙2)1995年基準企業向けサービス価格指数(1995年1月〜1999年10月)*
- (別紙3)1995年基準接続指数(1985年1月〜1994年12月)*
- Excelファイルでもご利用頂けます。(ntcspi01.lzh 37KB[MS-Excel])
以上