企業物価指数「電子部品・デバイス」の指数精度向上への取り組み ― 企業物価指数2010年基準改定に向けた先行事例 ―
2010年7月8日
日本銀行調査統計局
はじめに
日本銀行(統計作成部署:調査統計局物価統計担当)では、産業・貿易構造の変化に対応する趣旨から、5年に一度の頻度で企業物価指数、企業向けサービス価格指数、製造業部門別投入・産出物価指数の基準改定を行っています。このうち、企業物価指数(以下、CGPI)については、現行の2005年基準指数から2010年基準指数への移行に向けて、基準改定作業を鋭意進めているところです。
それに先行して、CGPI「電子部品・デバイス」(国内企業物価指数<以下、国内CGPI>・類別「電子部品・デバイス」、輸出物価指数<以下、EPI>および輸入物価指数<以下、IPI>・小類別「電子部品・デバイス」)においては、2005年基準中の2009年4月から、全品目について調査価格の全面的見直し作業を開始しました。こうした大幅な見直しは、2010年基準改定時に行うのが通例です。しかしながら、「電子部品・デバイス」については、産業構造の変化や技術革新の動きが急速であり、「電子部品・デバイス」の指数精度の維持・向上のためには、調査価格の大幅な見直しを早急に行う必要があることが確認されたため、基準改定に先立って見直しを実施することとしました。ほぼ1年間に亘る作業の結果、このほど、調査価格の見直しが概ね完了しましたので、その見直し結果の概要について、以下で取り上げます。
今回の見直しでは、(1)各品目における調査対象商品の構成比率の是正、(2)一部品目における調査価格数の積み増し、(3)実勢の価格変動を十分に反映していなかった調査価格の入れ替え、(4)実勢を反映する価格調査方法の工夫、(5)調査対象商品の変更の際に実施する品質調整の改善、に取り組みました。
今回の見直し作業に際しましては、調査対象企業の皆様に、様々な価格データをご提供いただきましたほか、「電子部品・デバイス」各品目を構成する多様な商品に関する情報や各種商品の需給動向についてご教授いただきました。その結果、調査価格の入れ替えや価格調査方法の見直しが円滑に進み、「電子部品・デバイス」の指数精度の向上を図ることができました。この場を借りまして、調査対象企業の皆様に厚く御礼を申し上げます。
なお、今回の見直し作業は、現行2005年基準指数・各品目を構成する調査価格を対象としており、品目改廃(新規品目の採用、品目の分割・統合、品目の廃止)や品目ウエイトの変更は実施していません。これらの作業は、通常通り、2012年にカットオーバーを予定しているCGPI・2010年基準改定において実施します。
日本銀行から
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照会先
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