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EMEAPメンバー中央銀行によるアジア・ボンド・ファンド次期プロジェクトの構造に関する発表

2004年 4月15日
EMEAP

日本銀行仮訳

EMEAP プレス・ステートメント

EMEAP 1 (Executives' Meeting of East Asia-Pacific Central Banks)(外部サイトへのリンク) メンバー中央銀行は、アジア・ボンド・ファンド・イニシアティブ(Asian Bond Fund Initiative、以下ABFイニシアティブ)の第2段階である、現地通貨建て債券を投資対象とするファンド(ABF2)の検討作業状況を、以下の通り報告する。

ABF2は、2003年6月に開始された、ABFイニシアティブの第一段階(ABF1)の成功に続くものである。ABF1は、現在、EMEAP各国の発行体の米ドル建てソブリン・準ソブリン債に既に全額投資されている。

ABFイニシアティブは、アジアの債券市場育成を目的とした地域協力を象徴する重要なものである。EMEAPは、ABF2が大きなインパクトを有するものと考えている。また、ABF2は、アジア域内の債券市場におけるインデックス型債券ファンドの発展を促すと同時に、アジア地域全体及び各国の債券市場インフラ整備に資するものである。

EMEAPは、ABF2の設計・構造についての初期調査を終了し、二つのコンポーネントから構成される枠組みを暫定的に推奨するに至った。それらは、(1)汎アジア債券インデックス・ファンド(Pan-Asian Bond Index Fund、PAIF)と、(2)ファンド・オブ・ファンズ(Fund of Bond Funds、FoBF)、である(概要は、別紙を参照)。ABF2では、EMEAP各国の発行体の現地通貨建てソブリン・準ソブリン債を対象とするベンチマークを予め定め、それに対してパッシブに運用することを想定している。当ファンドの設計に際しては、他の公的および民間セクターの投資を促進するような枠組みが考えられている。

PAIFは、EMEAP各国の現地通貨建て債券に投資する単独のインデックス型ファンドである。当ファンドは、アジアの債券市場に分散投資を行いたい域内外の投資家にとって、便利かつ効率的な投資手段を提供するものである。FoBFは、親ファンドが、EMEAP各国に設立された複数のサブ・ファンド(それぞれ、自国の現地通貨建て債券で運用)に投資する二層構造を採る。FoBFのサブ・ファンドは、現地投資家に、インデックスに基づく投資手段を低コストで提供するとともに、域内外の投資家が、自らの選好に合わせてサブ・ファンドを選択することが可能となるよう、柔軟な構造とする予定である。

EMEAPは、ABF2の資金規模を決定する際には、民間セクターの投資家をクラウド・アウトしないよう、十分に注意を払って投資額に上限を設ける方針である。

EMEAP各国は、ABF2への集団投資によって高まった関心やモメンタム(気運)を活用して、国内債券市場を更に発展させることが出来るであろう。EMEAPメンバーは、域内における債券投資商品の発展を促すために、法律・規制・税制面での障壁を把握し、その最小化を図るために、関係当局と協力して市場インフラの改善に取り組みたいと考えている。

EMEAPは、アジア域内において他のフォーラムが、地域全体および各国国内の債券市場の発展に向けて様々なイニシアティブに取り組んでいることを歓迎する。EMEAPは、それらのイニシアティブとABFプロジェクトは、目的を共有しており、共に、債券市場を通じた金融仲介機能の向上を目指すアジア諸国の意気込みを反映したものであると考えている。

EMEAPは引続き、ABF2の設計・構造につき、市場実務者と意見交換を行う方針であり、今後の進捗を伝える予定である。

  1. 正式名称は、東アジア・オセアニア中央銀行役員会議。オーストラリア、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイの11ヶ国・地域の中央銀行・通貨当局から構成される。

別紙

ABF2 の概念図 [PDF 98KB]

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