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【講演】フィンテックと金融・経済・中央銀行東京大学金融教育研究センター・日本銀行決済機構局共催コンファランス「フィンテックと貨幣の将来像」における講演

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日本銀行副総裁 中曽 宏
2016年11月18日

目次

はじめに

日本銀行の中曽でございます。

現在、急速に進みつつある情報技術革新が、金融や経済の未来にどのような影響を及ぼしていくのかという問題が、注目を集めています。このような新たな、また知的にもチャレンジングな問題に取り組んでいく上では、学界と実務家との協力が強く求められます。この中で、本日このようなコンファランスを開催できたことは、大きな意義があります。

また、本日のコンファランスは、東京大学金融教育研究センターと日本銀行との信頼と協力の関係があってこそ、実現できたものです。植田センター長や柳川教授をはじめ、開催にご尽力頂いた東京大学の方々に深く感謝申し上げます。なお、只今申し上げた「信頼」は、本日の私のお話の一つのキーワードでもあります。

1.情報技術革新とフィンテック

情報技術革新と金融

高成長の時代であった20世紀後半を経て、現在、世界の先進国は「成長力の引上げ」という共通の課題に直面しています。もっとも、20世紀中の経済成長を支えてきた産業 ―典型的には鉄鋼、自動車、石油化学など― をみますと、多くの主要企業は、実は20世紀に入ってから登場しています。例えば、U.S. Steelは1901年、Fordは1903年、ロイヤルダッチシェルは1907年、GMは1908年になって生まれ、その後急速に成長しました。このことは、新しい技術が揺籃期を経て実用化の段階に至ると、その時々の人々の想像を遥かに超えるスピードで、経済のランドスケープを大きく変える潜在力を持つことを示唆しています。

これらの産業に比べますと、金融業の歴史は比較的古く、いくつかの銀行の歴史はルネサンス期のイタリアまで遡ることができます。これは、金融業の基盤となる「おかね」や「帳簿」などのインフラが、自動車などの基盤技術よりもかなり古くから存在していたことが背景にあります。

しかしながら、現在急速に進んでいる情報技術分野の革新については、とりわけ金融に大きなインパクトをもたらす可能性が注目を集めています。その背景には、2つの理由が指摘できます。

まず、金融はそれ自体が、決済や投資判断、リスク管理などさまざまな情報処理の集積であり、この意味で金融業はまさに情報産業とも言えることです。

さらに、現在進展している情報技術革新の中には、「おかね」と「帳簿」という、まさに金融の基盤インフラに大きな影響を及ぼし得るものが含まれていることです。このことは、本日のコンファランスのテーマが示すように、経済理論の観点からも多くの論点を提起するものです。

フィンテックの特色

そこでまず、現在注目を集めている、情報技術を活用した金融サービスの革新、すなわち「フィンテック」の背景にある技術について考察したいと思います。これらは、大きく3つに分けられます。

第一に、2008年に「ビットコイン」のアイディアとともに登場した「ブロックチェーン」および「分散型元帳」です。

第二に、コンピュータの計算能力の飛躍的向上とともに一段と進化している、AI ―人工知能― やビッグデ-タ分析です。

第三に、金融サービスへの新たなアクセス手段としての携帯電話やスマートフォンです。とりわけ、2007年のiPhoneの登場は、金融サービスにアクセスする新たな媒体という面でも、大きな起爆剤となったように思います。

もっとも、これらの技術の実用化の度合いには違いもあります。すなわち、ブロックチェーンや分散型元帳は、フィンテックを象徴する新技術として注目されていますが、その実用化の試みの多くは、なお実験段階といえます。一方、スマートフォンを通じたサービスの提供は、今、まさに金融ビジネスの主戦場となっています。

2.フィンテックの金融への影響

そのうえで、これらの技術を活用するフィンテックが、金融サービスに及ぼし得る影響について、考えてみたいと思います。

金融サービスの分解・再構築

まず、フィンテックは、既存の金融サービスを分解し、再構築する可能性を秘めています。

殆どの銀行は、預金を核として、決済と信用仲介の両方を行っています。このことは、金融危機のトリガーが多くの場合「取り付け」であり、また中央銀行が主に銀行に対して「最後の貸し手機能」 ―lender of last resort― を提供してきた背景でもあります。

一方、新たに参入しているフィンテック企業は、預金吸収を行わず、決済や信用仲介に特化したサービスを提供している例が殆どです。また、金融サービスと、eコマースやシェアリングエコノミー、ビッグデータ分析などと関連するサービスを組み合わせることで、新たな「範囲の経済」を実現し、ここから付加価値を生み出そうとするビジネスも目立っています。

金融サービスの「グローバル化」

また、これまで国民の間に金融サービスが十分に普及していなかった途上国や新興国でも、急速に普及している携帯電話やスマートフォンを通じて金融サービスを普及させられる可能性が、大きく拡がっています。このような「金融包摂」 ―financial inclusion― の観点からも、フィンテックは、金融サービスをグローバルに普及させ得るものとして、期待を集めています。

金融サービスの「個別化」

さらに、もともと「一人一台」という性格が強い携帯電話やスマートフォンが金融サービスの新たな媒体となっている中、これにビッグデータを用いた顧客の属性分析などを組み合わせることで、顧客毎にカスタマイズされたサービスを提供していくことが、より容易になっています。

加えて、従来は提供が困難であったような個別化されたサービスを、新しい技術で実現し、金融サービスのフロンティアを切り開く試みもみられています。例えば、「保険に入ると安心し、十分な注意を怠ってしまう」といった「モラルハザード」は、保険の本質的問題と捉えられてきました。しかし、ブロックチェーン技術を用いて、「その時々の運転の仕方に応じて保険料が変わる」といった「スマートコントラクト」と呼ばれるスキームを実現し、モラルハザードの問題を克服するなどの取り組みも行われています。

金融サービスの「バーチャル化」

また、情報技術革新に伴い、店舗やATMといったハードインフラは、金融サービスを提供していく上での必要条件ではなくなりつつあります。こうしたビジネスモデルの変化は、今年の「ポケモンGO」の流行とも共通するものがあります。すなわち、これまでゲームを流行させるには、予めゲーム機という「ハード」を普及させる必要がありました。しかし、「ポケモンGO」は、既に各国で普及しているスマートフォンにアプリを供給することで、一気に世界中で流行しました。

今や、インターネットやスマートフォン、クラウドコンピューティング、AI、分散型元帳などを、金融サービスへのアクセスや帳簿管理、投資判断やリスク管理などに活用することを通じて、少なくとも技術的には、有形固定インフラを一切持たない「バーチャル銀行」すら想像可能となっています。

フィンテックのもたらす新たな論点

一方、フィンテックは、支払決済や金融安定の面で、新たな論点を提起するものでもあります。

まず、「フィンテックは決済や金融の『構造』をどう変えるのか?」という論点があります。例えば、2009年のG20ピッツバーグ・サミットでは、標準化されたデリバティブ取引について、清算機関を通じた清算集中が合意されました。もっとも、その後、分散型元帳など分散型の技術が新たに登場しているもとで、集中的な帳簿管理を前提とする決済の階層的な構造がどのように影響を受けるのかが、一つの論点となり得ます。

また、これまでの金融当局によるモニタリングや規制は、銀行などのバランスシートから多くの情報を得るとともに、「自己資本規制」や「流動性規制」など、バランスシートに制約を課すことを通じて金融安定の実現を図るものが多かったように思います。しかしながら、先ほど述べたように、自らのバランスシートを使わずに資金の需要と供給を繋ぐフィンテック企業については、バランスシートから金融仲介の状況を把握することは困難ですし、「バランスシートに制約を課す」という規制手法も有効とはなりにくいように思われます。こうした中、金融当局はどのように情報を入手し、金融安定を実現していけばよいのかも、重要な論点となります。

さらに、情報技術革新は、サイバー攻撃者の手口も一段と巧妙にしています。また、金融サービスへのアクセスにインターネットやスマホが広く使われるなど、金融ネットワークがより「オープン」なものになっていく中、決済や金融の安定を確保する上で、サイバーリスクへの対応がますます重要になってきています。

3.フィンテックの経済への影響

次に、フィンテックが経済に及ぼすインパクトについて、考えてみたいと思います。

言うまでもなく、「金融」は人類の生んだ偉大な所産です。すなわち、人類は金融という高度な情報処理体系を編み出すことを通じて、有限な資源を、将来に向けた生産性や成長性の高い分野に継続的に振り向けていくことを可能としました。このことは、人類が経済社会を築き上げる大きな原動力となりました。したがって、情報技術革新やフィンテックが金融の効率性を高めるものであれば、経済の発展にも寄与するはずだと考えられます。

その最もわかりやすい例が「金融包摂」です。すなわち、途上国や新興国の人々が、フィンテックを通じて新たに金融サービスにアクセスできるようになれば、従来は決済手段自体が無かったために拡がらなかったビジネス ―例えば通信販売や通信教育など― にも拡大のチャンスが生まれます。こうしたことを通じて、フィンテックは経済の発展にも繋がっていくことが期待されます。

もっとも、既にベーシックな金融サービスが相当程度普及している先進国において、フィンテックの経済効果が、とりわけ統計上にどのように表れるかは、より複雑な問題です。

例えば、金融機関が無料のアプリの機能向上を通じてサービスの質を向上させる一方で、店舗などへの投資コスト節約を実現した場合、それぞれの効果が統計上どのように把握されるか、という問題があります。また、フィンテック型の金融サービスが「シェアリングエコノミー」の発達を促した場合、これによる、経済社会の隅々にある遊休資産 ―例えば「空き部屋」や「車庫に止まっていた車」― の稼働率の上昇が統計上どのように表れるのか、といった問題も考えられます。これらは、「情報技術革新がもたらす経済厚生の向上を、統計上いかに捉えていくか」という、チャレンジングな論点にも繋がるものです。

加えて、フィンテックの潮流の中、インターネットやスマートフォン経由の経済取引が拡大し、さらに分散型元帳の実用化も進んでいく場合、取引がどこで行われ、管理する帳簿がどこにあるのかといった物理的な「場所」の特定は、ますます難しくなっていくことが考えられます。このことは、規制や税制など、幅広い論点に繋がり得るように思います。

4.フィンテックと中央銀行

また、本日のコンファレンスのテーマが示している通り、フィンテックは、通貨や中央銀行の未来を考える上でも重要な刺激を与えるものです。

「情報」と「信頼」

多くの中央銀行が、近代的な国民国家の成立後、通貨発行を一元的に担う主体として登場し、自らの債務として通貨を発行していることを踏まえても、中央銀行は本質的に「集中的な帳簿管理者」という性格を有しています。このような中央銀行の性格を踏まえれば、ブロックチェーンや分散型元帳といった新しい分散型の技術が、中央銀行や通貨にどのような影響を及ぼすのかという関心が出てくることは当然といえます。このような関心は、「仮にビットコインのような仮想通貨が大きく拡大したらどうなるのか」といった具体的な質問にも繋がっています。

もちろん、ビットコインのような仮想通貨が広範に、財やサービスの購入に直接使われていけば、金融政策への影響も当然に考えられます。もっとも現段階では、ビットコインなどの仮想通貨が信認あるソブリン通貨を凌駕して拡がる可能性は低いとの見方が、国際的にも多いように思います。このことは、金融に不可欠な「信頼」の問題と、深く関わっていると考えられます。

言うまでもなく金融は、資金の払い手と受け手、貸し手と借り手といった複数の経済主体の繋がりの中から付加価値を見出していく活動であり、そのためには「信頼」が不可欠となります。

この点、ビットコインは、いわば「ゼロ」の状態から、通貨として使われる上で必要な「信頼の連鎖」を創り出すスキームと理解できます。もっとも、ゼロから信頼の連鎖を創るためには、取引検証 ―マイニング― にかかる電力や暗号鍵の管理など、相応のコストを必要とします。したがって、既に十分な信頼を得ている主体があるならば、そうした主体に一元的に、その債務として通貨を発行させることが合理的といえます。このような経済合理性があるからこそ、中央銀行は、歴史的にみればかなり最近になって登場したにもかかわらず、今日、殆ど全ての国で一元的に通貨発行を担うに至っていると考えられます。

「集中」と「分散」の共存

人間の情報処理能力に限りがある中、「信頼」は情報処理の効率性を飛躍的に高めます。このことは、「それぞれの人が鍵を何百個も持ち歩き、管理しなければならない生活」を思い浮かべれば、容易に想像できるでしょう。

金融は、まさにこうした「信頼」を、決済手段としての債務への信頼や、各種の情報を管理する帳簿への信頼など、さまざまな形で組み込むことで、高度な情報処理を可能とし、経済社会を支えています。逆に言えば、仮にこのような信頼が失われれば、情報処理の効率性は大きく損なわれ、金融や経済に大混乱が生じ得ます。また、全ての人々が四六時中、帳簿が改竄されていないかを監視しなければいけなくなるなど、信頼の維持に多大なコストを要する状況になれば、やはり、金融や経済活動は大きく阻害されることになります。

例えば、経済主体が、既に行われた取引の決済として受け取った対価の価値変動を常に心配しなければならない状況では、将来に向けた経済活動にリソースを振り向けていくことも難しくなります。この点、中央銀行はそれぞれの国や法域において、通貨価値の安定を目指すよう制度上も定められています。そうした使命を負っている中央銀行が発行する通貨を決済手段に用いることで、このような問題を回避することができる訳です。

また、ビットコインの例でも、実務上「鍵を第三者に集中的に預ける」ことが行われており、この中で「マウントゴックス社」の破綻のような出来事も起こっています。これは、分散型技術自体の問題というよりも、「分散型処理に伴う鍵の管理コストを避けるため、第三者を信頼して鍵を預けたが、その信頼が損なわれた」という問題であり、その意味で、金融における古典的な問題に近いものです。このことも、金融サービスを利用する人間の情報処理能力の制約まで考えれば、「分散型」の技術は必ずしも「集中型」の仕組みを淘汰するものではないこと、いかなる仕組みの下でも、金融にとって信頼の確保が常に重要であることを、端的に示しているように思います。

このように考えていくと、十分に信頼された集中型のシステムと、ニーズや用途に応じて導入された分散型のシステムが共存していくことは十分可能であるし、また望ましいと考えられます。この中で我々としては、その時々の技術進歩を取り入れ、また、参加者のさまざまなインセンティブにも配慮しながら、金融に不可欠な「信頼」をしっかり確保できる、経済社会にとって最善の制度を設計していくという視点が重要であると思います。

情報技術と中央銀行

中央銀行は、決済の「巻き戻し」や決済手段自体の信用リスクを心配しなくてもよい、「ファイナリティ」のある決済手段としてのマネーを制約なく供給できる主体です。かつて中央銀行は、専ら紙の技術に基づく「銀行券」や「帳簿」を通じて、このような機能を提供していました。しかし、経済活動が高度化する中、中央銀行はその時々の技術進歩を取り入れながら、電子化された即時グロス決済システム ―RTGS― など、自らが提供するインフラを不断に進化させてきました。仮に中央銀行が、ファイナリティある決済手段を、今に至るまで紙ベースの銀行券でのみ供給していれば、経済の効率性は大きく阻害されていたでしょう。

このことが示すように、中央銀行は、その時々で利用可能な技術を適切に取り入れながら、経済社会に最適な基盤インフラを提供していく姿勢が求められます。そのためにも、中央銀行は自ら、技術進歩への感度を研ぎ澄ませておく必要があることは、言うまでもありません。

この点に関連し、最近では、「中央銀行が自ら、銀行券を代替するデジタル通貨を発行してはどうか」といった主張も、内外で聞かれるようになっています。言うまでもなく、銀行券は全ての人々が夜間や週末も利用できる、ファイナリティある決済手段ですが、これをデジタル媒体で代替してはどうかといった主張の背景には、「紙の処理や保管のコストがますます意識されるようになっている中、中央銀行も新しい情報技術を活用し、経済社会のニーズに応えていくべきではないか」といった問題意識があるように思います。この点は、本日のコンファランスの一つの論点でもありましょう。

日本銀行が現時点で、銀行券に代わり得るデジタル通貨を発行するといった具体的な計画を持っている訳ではありません。しかしながら、同時に日本銀行としても、ブロックチェーンや分散型元帳など新しい技術の理解に努めるとともに、そうした技術を中央銀行の業務の中で活用し、自らのインフラを向上させていく余地がないかも含め、調査研究を続けていく必要があると考えています。

また、「中央銀行によるデジタル通貨発行」といった議論は、「金融構造や金融サービスの提供主体が変化していく中、中央銀行はいかなる主体に口座を提供すべきか」、「どこまで踏み込んで決済のファイナリティを提供していくべきか」、さらには「取引や決済に伴う情報はどのように取り扱われるべきか」といった、広範な論点とも関わるものです。日本銀行としても、学界とも協力しながら、これらの問題に関する理解や考察を深めていきたいと考えています。

おわりに

人類の歴史を振り返っても、技術の進歩は、―時に戦争への利用や公害といった負の側面はあったにせよ― 基本的には人々の厚生を高め、経済社会の発展に寄与してきました。

このことを踏まえても、政策当局としては、技術進歩の負の影響は最小化しつつ、そのメリットを最大限引き出すよう努めていく必要があります。とりわけ、現在の情報技術革新が、まず金融に大きなインパクトを及ぼしていく可能性を踏まえれば、フィンテックという言葉に象徴される金融イノベーションに我々がどう対応していくかは、21世紀のこれからの経済のランドスケープを描いていく上でも、大きな鍵になるように思います。

もちろん、そうした取り組みを行っていく上では、新たな、知的にもチャレンジングな論点が数多く待ち構えているでしょう。そうした論点を克服していくには、民間企業を含む幅広い関係者との協力に加え、とりわけ、学界との協力が必要不可欠であると思います。

本日の、東京大学金融教育研究センターと日本銀行の共催という形でのコンファランスは、まさに、新しい情報技術が政策面でも多くの知的チャレンジを提供していることを象徴するものであると同時に、こうした問題に取り組む上で大変重要な機会となるものと確信しております。

本日のコンファランスが皆様にとって実り多い場となりますことを、心より祈念致しております。

ご清聴ありがとうございました。

主要参考文献

岩村充、神田秀樹「デ-タ保護の技術と法」、法とコンピュータ第13号、1995年7月

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