紙を切るのに夢中になり...「切り絵」画家に!
2010年12月13日 up
実際にデモンストレーション。素朴で優しさにあふれた人でした
切り絵画家・久保修氏のデモンストレーションが、12月3日バルセロナ民族学博物館で催されました。
彼は、父親同様に建築家になろうと勉強しているうちに、紙を切る面白さを知り、毎日、朝昼晩と切る事に明け暮れるようになり、すっかり建築の事を忘れてしまったそうです。
庶民の着物の柄として作られた和紙の下絵で、久保氏の宝物
繊細な柄は、一つずつ手で切られて作られたもので、京都でこれに出会った時、感動で身震いし、このように切ってみたいと強い願望が湧いたそうです。
切り絵には、絵の勉強も必要だと感じた時期は、25年前。
久保氏が興味を持っていたピカソやガウディがいたスペインに渡り学ぶ事にしました。
この滞在で、『作る事は、自由にして良いのだ!』と、悟ったそうです。
切り絵を斬新なアートに一新させた彼の作品は、色々な材料・技法を探求し、美しい色を添え仕上げています。
そして、光と影を大切にして立体感を出し、奥行きの感じる作品となっています。
10冊以上ある著書の中の一作品。右手の植物の細かさに注目!
付け足したりしない一枚の紙であり、全ての部分が繋がっている事がポイントである切り絵は、90%仕上がっていたのに失敗して切れてしまう事もあるので、かなりの根気が必要とされそうです。
仕事柄、モノを大切にするようになり、「ほら! 肘に穴があいても当て布をして着ます」
締め切りがある作品で急ぐ場合は、1週間で仕上げる事もあるし、大作で2年がかりの場合もあるそうです。
切り絵の最大の特徴は、絵などでは表せない、ナイフで切った角の「鋭さ」にあるそうです。
現在は、日本の風景を残したいと感じ、旅をしては制作に励んでいるそうです。
彼のやり方は、まず丹念に観察(良く虫眼鏡を使用)し自分でスケッチする事から始めます。
写真の場合、全てが写し出されますが、自分で描くと興味あるモノのみを写す事になるからです。
モチーフは食材、イベリア半島の風景・日本の伝統的な家・日本の四季など
柄をデザインした着物を披露、映像による制作の流れ、和紙の本物の作品や大切なナイフなどに触れさせてくれたりと、和やかで充実した催しでした。
そして、大きくなった息子が、毎日切り絵ばかりしていたら心配になったはずの家族を納得させ、人生で興味を持った事を貫き、努力し自分のモノを確立した強さに、感心しました。
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