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2020年1月18日 (土)
大学入試検討会議 看過できない文科相発言
最後の大学入試センター試験を直前に控えた15日、「大学入試のあり方に関する検討会議」が初会合を開催した。「大学入試のあり方」に対しては、改めて論じたい。ここでは、あまり報道されないだろうし議事録の公開も遅れるだろうが看過できない発言があったので、長文になるが起こしておく。開始から約1時間過ぎ、公務のため退席する際に行った萩生田光一文科相の発言である。
みなさん本当に忙しい中ありがとうございます。これからまだ議論が続けていただけるかと思います。率直な、さまざまなご意見をいただきたいというふうに思います。私もこの二つの制度を立ち止まるに当たっては、一部報道なんかでは何か「政権の支持率を憂して」みたいなことを言われましたけど、そんなふうじゃなくて、本当に局の皆さんとも夜な夜な本当に真剣な議論をし、また多くの皆さんの声を聴いて、最終決断をしました。今まで積み上げてきていただいた多くの皆さんのご苦労があるわけですし、これは少なからず国民の皆さんの税金を使わせてもらってさまざまな制度設計してるわけですから、やめるということも大きな責任があるという、そういう判断の下で最終決断をしました。従って、やり直しをするに当たってですね、洋服の上から書くような議論をしたんではならないんだと思ってます。ぜひ、きょう選ばれた委員の先生方は、過去の議論に参加をしていただいた先生方もいらっしゃいます。それから、外からさまざまな問題提起をしていただいた先生方もいらっしゃいます。また、今回のこの問題が発生して、さまざまなアドバイスいただいた先生方もいらっしゃいます。それぞれ実はもうお立場がある皆さんですから、会議原則公開は私、大いに結構なんですけれど、しかし検証の事になりますとね、あの時に私が気付いたことは、実は野党の皆さんが国会で指摘をしました。野党の皆さんが指摘をしたことは、後ほど議事録を見ると、専門家の先生たちも問題提起をしていたり、外からのさまざまな提言もあったりするわけですよ。なのに、なぜここまで来てしまったのかっていうのは私は当時、不思議でならなかったんです。この平場でですね、メディアの皆さんの前で、例えば文科省の批判をするとかですね、他の委員の皆さんの発言に対して意見具申するっていうのは結構大変なことだと思うんで、決して目を隠すつもりはありませんけれども、どこかでは1回ちょっと雰囲気の悪い会議をやってもらったらいいんじゃないかと。一度はクローズでぜひ、そんなこともやっていただいて、後ほど議事録を出していただくということを1回やっていただいたらいかがかな、と思ってます。これ以上後退するわけにはいきませんので、「あの時、足を止めて皆さんで話し合って本当にいい制度になった。子どもたちも前向きに大学受験を目指すことができるようになった」と思ってもらえるような制度を作るために、ぜひ先生方の力をお借りしたいと思いますので、ぜひ闊達なご議論を賜りますよう、お願いをしたいと思います。併せて、文科省側もいろいろ思いはあるんでしょうけど、ここはもうすべてオープンにして、皆さんにさらしてですね、話をしていただきたいなと思うんです。例えばね、さっきセンター試験の説明の中で「私立大学や短大が、約700校がセンター試験を利用してます」って、こういう報告がありました。普通の人はそう思うわけですよ。だけど、これは入試の要するに700校っていうけれど、700校のうちのA大学の1学部の1学科のほんの一部が使ったって1校ってカウントしているわけですよね。ですから結果として、いわゆる選抜区分で割り戻したら何のことはない、3割の大学しか最初から使う予定がありませんでしたって。そして、あれだけですね、「4技能が大切だ。記述式も大切だ」って、大学や大学関係者、会う人すべてが私に言ってくれました。だけど文科省が共通テストでやめたからといって自力でやるっていう学校は、これしかないわけじゃないですか。本当に大事だと思ったら、なぜやらないのか私は不思議でしょうがない、わけですぅ。ですから、そういうことも含めて、数字は変なマジックは要りませんから、もう裸の数字を出していただいて、先生方にさまざまな議論をしていただく準備をしてもらいたいなと思います。「共通テストは700校の私立が使ってます」って言ったらそう思うけれど、そんなことはないわけですよ。700校の、ごく一部の学部の人たちが利用してるだけであって、圧倒的、国公立の大学の受験システムであることは、今の段階では否めないわけです。じゃあここに本当に私立の皆さんの思いっていうものを付加していくことが可能なのかどうなのかっていうことは、これから含めて考えていかなくちゃならないんで、数字はね、格好付けなくていいですから正しく示していただいて。また先生方にも繰り返しになりますけれども、どうぞ忌憚のないご意見をいただいて、ご批判も真摯に受けたいと思いますので、これから約1年間、長い時間になりますけれども、よろしくお願い申し上げて、今日は中座をお許しいただきたいと思います。以上です。
もちろん約1時間の説明や議論を受けての発言なので、文脈が分からないと理解できない部分はあるだろう。しかし、ずっと傍聴していても、また改めて文字に起こしていても、何を言っているのか理解に苦しむ。「クローズ」については17日の定例会見でもクラブ記者に追及されていたので、ここでは論じない。
推測すれば、過去の経緯については文科省や検討に参加した委員が悪かった、ということなのだろう。 それにしても政権の中枢を担ってきた者として、さらには文教族であり文科省通を自負しているらしい者として当事者意識の無さには、あきれ返るばかりだ。
おそらく大臣は、本気でそう思っているのかもしれない。だとすれば、そのような認識で二つの見送りを判断したことになる。どこが「真剣な議論」の上での「最終決断」か。「『あの時、足を止めて皆さんで話し合って本当にいい制度になった。子どもたちも前向きに大学受験を目指すことができるようになった』と思ってもらえるような制度を作る」などと、どの口が言うのだろう。
大臣の意向すら判然としない中では、これからの会議がどう進んでいくのか現段階ではさっぱり見通せない。個別試験との「役割分担」が落としどころになるのだろうが、 新課程入試の2年前予告に間に合わせるため1年間と検討期間を区切ったのも期待できない一因である。
もちろん萩生田氏が検討会議の最後まで大臣を務め上げる保証もないから、途中で潮目が変わる可能性もなくはない。しかし、どちらにしても現段階では疑念や不安ばかりが募る検討会議の今後である。
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2020年1月18日 (土) 社説 | 固定リンク
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