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2014年3月11日 (火)
未来志向の教育は東北に学べ
「これからはカリキュラム中心ではなく、学習者中心へと移行しなければならない。その点で東北地方はパイオニアであり、世界は多くを学ぶだろう」
2月9日、仙台市内で行われた「OECD/Japanセミナー」で、経済協力開発機構(OECD)教育・スキル局のアンドレアス・シュライヒャー次長(事務総長教育政策特別顧問)はこう述べた。
シュライヒャー次長はある意味で日本人以上に日本の教育を最も正確に把握している人であり、東日本大震災に際しても4カ月後から被災地に入って日本の教員を高く評価していた。その人の言葉を、教育に関心を持つ全国の人は重く受け止めるべきだ。
国内では依然として「脱ゆとり」などという内向きな言説が流布しているが、そうした空虚な論争をよそに被災地では地域や自分たちにとって切実な課題に向き合ったプロジェクト学習が展開されている。
被災地の子どもたちが体験したことは、激烈なマイナスであったろう。しかし消し難い思いを抱えているからこそ目の前の問題を我が事として真剣に受け止め、当事者として解決策を考え実行することでプラスに転化しようとしている。そうした学びが復興にとどまらず、21世紀に求められる汎用的スキルに転移可能となっているのだ。
心のケアや学力保障など、まだまだ被災地に教育支援が必要なことは言うまでもない。しかし単なる支援の対象ではないし、単なる被災の教訓を得るためでもない。そこで行われていることから被災地以外の者も多くを学び、自分たちの教育に生かすべきだ。
被災地の教員は「自分たちは何もしていません。子どもたちが凄いんです」と謙遜する。しかし子どもに寄り添い、可能性を引き出す指導を行っているのは他ならぬ日本の教員だ。その強みに、教員自身が気付いていないのかもしれない。
東北で行われている学び、教員が行っている指導の価値を、誰かが正しく理論化しなければならない。文部科学省が提唱する「創造的復興教育」も、そうした試みの一つだろう。
いま世界では、21世紀スキルを育成する未来志向の教育課程改革が大きな潮流として広がっているという。シュライヒャー次長が東北に注目するのも、その点だ。
日本は既に持っている強みを生かして、世界的潮流に貢献するくらいの気構えを持つべきだろう。「世界トップレベルの学力」などと言っている場合ではなく、ましてや日本人としての誇りだの政府見解を正しく理解させるだのというのは後ろ向きな議論にさえ思える。
今後いっそう、被災地で行われている実践に注目していきたい。世界が注目しているのに、国内が過小評価していては「ゆとり教育批判」の轍(てつ)を踏むだけである。
【関連本社配信記事】(予定を含む)
・時事通信社『内外教育』2月21日付「未来志向の教育は東北に学べ 文科省などが『OECD/Japanセミナー』」
・ベネッセ教育動向サイト2014年3月10日「21世紀」の教育モデルは東北に-渡辺敦司-」
・生徒が体験と学習から紡ぎ出した「千年後の命を守る」プロジェクト―宮城県女川町立女川中学校の取り組み(日本教育公務員弘済会『きょうこう』4月号)
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2014年3月11日 (火) 社説 | 固定リンク
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