私どもは、昭和56年ごろまでは、大変生活に困窮し、殆んどの人達が出稼ぎに行ってました。ある日、ここを訪れた武蔵美術大学の先生に、私達は、これからどう、生活していったら、良いでしょうかと、相談したところ、先生は、 「この大内宿をそのままの状態で遺しなさい」と言われた。それから、48軒はトタン葺から茅葺に変えて家の前の道路に、山からの自然水2本を導水し、清水路を造った。山々に囲まれた宿場は清らかな水と茅葺の家並みのバランスが良く、人々の心を安らげてくれる。江戸期の宿場町の再現である。小高いところから、宿場町を見下ろせば、イミテーションではない、江戸時代の宿場町そのものだ。