日鉄に違約金889億円? 米バイデン大統領、USスチール買収阻止決定
[ 2025年1月4日 04:35 ]
バイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を阻止することを決めたと正式発表した。大統領が日本企業の合併・買収(M&A)阻止を命じるのは初めて。
安全保障上のリスクがないか審査してきた米政府機関の対米外国投資委員会(CFIUS)は昨年12月、懸念の有無について内部で意見が折り合わず、判断をバイデン氏に委ねていた。バイデン氏はこれまで買収に否定的な姿勢を示してきた。
巨大市場を手に入れようと社運を懸けていた日鉄。USスチールへの違約金5億6500万ドル(約889億円)の支払いも生じる可能性がある。2023年12月に発表された買収計画。違約金は双方に同額で設定された。規制当局の承認というハードルに加え、大統領選を控え、民主党の支持基盤である全米鉄鋼労働組合(USW)の反対を受けた政治問題化も想定され、買い手側にも義務が課されたとされる。今後、株主から責任を問われる恐れもあり、まさに泣きっ面にハチだ。
日鉄は手続きの適正さなどを巡る訴訟も辞さない構えだが、専門家からは悲観的な見方が出ている。
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