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「光る君へ」大石静氏、越前編テーマは「絶対に離れられない2人」今作の夢は「まひろを愛し続ける道長」

[ 2024年5月26日 20:45 ]

NHK大河ドラマ「光る君へ」の脚本を手掛ける大石静氏(C)NHK
Photo By 提供写真

NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)の第21話「旅立ち」が26日、放送された。吉高由里子演じる主人公・まひろは、越前守に任命された父の藤原為時(岸谷五朗)と共に越前(現在の福井県)に旅立った。脚本を手掛ける大石静氏(72)がスポニチの取材に応じ、越前編のテーマについて語った。

<(注記)以下、ネタバレ有>

「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛〜僕を忘れる君と」などを生んだ"ラブストーリーの名手"大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

まひろは、京から越前に向かって雄大な琵琶湖を船で移動した。大石氏は「この時代に越前に行くことは、私たちが不便な外国に行くよりも覚悟がいること」と語った。都を離れるまひろの気持ちを「道長のいるところか遠くに行き、想いを断ち切りたい、道長を卒業したいという感じだと思います」と語った。

まひろは、第10話「月夜の陰謀」(3月10日)で藤原道長(柄本佑)に「一緒に都を出よう」と"駆け落ち"を迫られるも、道長には別の使命があると拒んだ。さらに、妾になることも拒否。2人はすれ違っていった。第21話で、まひろは藤原道長(柄本佑)に、「この10年、あなたを諦めたことを後悔しながら生きて参りました」と素直な気持ちを吐露した。「今度こそ、越前の地で生まれ変わりたいと願っております」と告げ、唇を重ねた。まひろにとって、覚悟の込もった別れのキスだった。

しかし、大石氏は来週から本格スタートする越前編について、「絶対に離れられない2人の関係性を表した象徴的な時間かなと思っています」と語った。まひろは道長への思いを断ち切るために遠くの土地へ行くが、そこで父親が政(まつりごと)に難儀する姿を目の当たりにする。「道長を吹っ切ろうと思って行ったのに、父の苦労を見ていると、道長はもっと苦労しているんだなと思ってしまう。やっぱりそこに引き戻されてしまう」。国守として軋轢や交渉に苦しむ父の姿を見ればみるほど、右大臣として国を担っている道長を思うことになる。

一方の道長の心にも常にまひろがいる。右大臣として民を思った政をする道長の脳裏には、「道長様が政によってこの国を変えていく様を、死ぬまで見続けます」というまひろの言葉が浮かんでいる。大石氏は「青いようですが、"直秀(毎熊克哉)のような悲しい死に方をする人がいなくなる世の中に"という、まひろとの約束を、道長は生涯果たそうとしたのだと思います」と明かした。

決して結ばれない運命なのに、激しく愛し合うまひろと道長。2人を突き動かすものは何なのか。大石氏は「そうだったら素敵だなと思うことを描いています。こういうふうに男性に愛されてみたくないですか?」とほほ笑んだ。物語を描く上で大切にしていることは、夢とリアルのバランスだという。「まひろを愛し続ける道長にこのドラマの夢があります。実際、そんな男はいないでしょ。ですが、自分の夢でもあり、視聴者の方の夢にもなればいいなと思っています」と瞳を輝かせた。

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