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渡辺恒雄氏死去 巨人番記者の伝統「ナベツネマーク」 合言葉は「センチュリーのしろまるしろまるしろまるしろまる番を捜せ!」

[ 2024年12月20日 05:30 ]

渡辺恒雄氏死去

笑顔で取材に答える渡辺恒雄氏
Photo By スポニチ

渡辺氏がオーナーだった90年代後半から00年代前半。巨人の番記者は夜回りが日課だった。読売新聞東京本社に始まり、都内の料亭やホテルを数カ所回る。「センチュリーのしろまるしろまるしろまるしろまる番を捜せ!」が合言葉だった。一瞥(いちべつ)もくれない時も多かったが、要人との会食後に酔いが回って上機嫌で話したり、巨人や球界への不満をぶちまける時もあった。

99年の開幕前だった。長嶋監督は開幕投手を明かさない。渡辺オーナーに「開幕投手は誰ですか」と聞くと「ガルベスだよ。監督の秘密事項だから言うわけにはいかないがな、ガッハッハ!」。思い切り言っちゃってます。でもワンマンオーナーはお構いなし。ガルベスは前年に審判にボールを投げつける暴挙を犯していたが、自らが若い時にケンカで相手を病院送りにした武勇伝まで披露した。「返り血でサルマタが真っ赤になったこともある。それほどのことじゃない、審判にボールを投げつけることぐらいは」。とんでもない暴言だが、年老いても威圧感たっぷり。車に警棒を忍ばせ、暴漢対策もバッチリだった。

球団会長時代の06年7月。巨人は大型連敗を繰り返し、最下位目前だった。ホテルに記者は私一人。相手にするはずがないと思ったが、逆に話しかけられた。「君はよく(夜回りで)いるな。どうした?聞きたいことがあるのか」。その優しさに甘え、原監督の来季去就について聞くと「絶対に続投だ!明日会って(続投を)言うよ」。翌日の1面になって感謝である。ただ、一人で話を聞けたことで夜回り生活はずっと続いた。(野球担当部長・飯塚荒太)

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