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阪神・糸井SAとミノルマンが野球教室コラボ 今、子どもの打撃にある異変が...「叩くスイングが減った」

[ 2024年2月19日 17:04 ]

「Amazing」との野球教室に参加した阪神の糸井SAはロングティーによる本塁打対決で子どもたちを盛り上げた(提供写真)
Photo By 提供写真

野球塾「Amazing」が、阪神の糸井嘉男SA(スペシャルアンバサダー=42)とコラボした野球教室があったのは、18日のこと。大阪府堺市内での開催に、小学5年から中学3年までの約130人が集まった。

プロ通算1755安打の糸井さんと、人気の野球ユーチューバーであり、野球教室を全国に9校も展開する「Amazing」代表の「ミノルマン」こと広畑実さん(30)をつなげたのは、野球日本代表「侍ジャパン」のスポンサー、カーネクストを手がけるラグザス・福重生次郎社長。同社がスポンサーを務める形で、今回の野球教室が実現した。広畑さんは、自ら開発したトレーニングバット「ヘッドランバット」を現役時代の糸井さんに贈ったことがあり、以前からSNSでつながりがあったそうだ。

広畑さんは「糸井さんが来てくれたおかげで、子どもたちの喜びは大きかったと思います」と1日を振り返った。厳しいプロの世界で長く活躍した人物と同じグラウンドに立って子どもを教え、ロングティーで本塁打対決もした。様々な刺激があったという。

「スイングにしても打球にしても、次元が違いました。40歳で、しかも野球の練習から遠ざかっているとは思えない振りでした。しかも、スイングにムダがなく、凄くシンプル。本当にバットを持っているのかと思えるくらい、力が抜けてゆったりとしてスイングをされていました。教え方にしても、うまくできた子にたいしてしっかりと褒めていました。子どもたちが楽しんでいる様子が、私にも伝わってきました。親御さんたちの笑い声も聞こえてきました」

SNSとユーチューブで告知した今回の野球教室を終え、広畑さんは子どもたちに起きている打撃の"ある異変"に気付いた。
「上からバットを出す、いわゆる叩くスイングをする子どもが少ないなと感じました。フォロースルーですくい上げるような、縦に近いスイングをする子どもがかなり多かった印象があります」

打撃理論は様々あり、正解、不正解を一概には言いにくい。ただ、映像機器と科学の進歩によって、以前と異なる考え方が増えたのは事実だ。ゴロを誘発しやすい「叩くスイング」もその一つ。相手のミスを誘うために、どんな状況でも「転がせ」と指導される子どもがいるが、"ゴロマシーン"のスイングが、その子の将来につながるかどうかは不透明。小学生で安打や失策になっていたゴロは、中学、高校ではただの内野ゴロであり、小学生からライナーやフライを打てるスイングを身につけた方が、将来の安打や長打につながると考えられるからだ。もちろん、追い込まれてから食らいつく打撃や、戦術的に転がす技術は重要で、ゴロ打ちそのものが否定されるわけではない。

広畑さんは、今回の野球教室で、まず子どもに「ホームランを打つ意識が大事。遠くへ飛ばそう」と声をかけてからレッスンを始めた。最も難しい本塁打が打てれば、ゴロもケースバッティングも自然とできるようになると考えるからだ。まずは大きく育ってほしい。そう願いを込めながら、今日も子どもたちの指導に情熱を傾けている。

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